ベンセ湿原
津軽半島西側の日本海に面した広大なエリアは海岸低層湿原及び中間層湿原(苔が幾層も重なってできた湿原)が広がる広大な湿地帯となっています。ベンセ湿原はこれら湿原のひとつで面積は約23ヘクタールほどで、さまざまな草花が咲き誇り1983年には日本自然百選に指定されています。
このベンセ湿原は見頃の時期が短いためか意外と知られていない津軽半島の名所で広大な湿原には木道が整備され展望台も設けられています。また湿原越しに見る岩木山は壮麗の一言です。
ベンセ湿原へアクセス・行き方
上述してあるとおりベンセ湿原一帯は広大な湿地帯となっており、周辺にあるのは無数の湿原と田畑、牧場などで民家は皆無となっています。この為、公共交通機関によるアクセス手段はゼロで、車によるアクセスが唯一の交通手段となります。
車で訪れる場合は深浦・鰺ヶ沢方面を走る国道101号線と十三湖方面を走る県道12号線を結ぶ農道を利用することとなります。この農道は大型車両なども通る一直線の見通しの良い直線道路で、調子にのってスピードを出しすぎるとベンセ湿原への曲がり道(近くまで行くと案内看板が出ています)を通り過ぎてしまうこともあるので注意が必要です。なお駐車場はベンセ湿原入り口に整備されており、車10台ほど駐車可能でトイレも設置されています。
ベンセ湿原の見頃
ベンセ湿原では6月中旬頃にニッコウキスゲが見頃をむかえ湿原が黄色に染まり、7月上旬頃になるとノハナショウブの大群落が見頃となり一帯は黄色から紫へと変わり季節によって様相が様変わりします。そして本格的な夏を迎えるとベンセ湿原は緑におおわれ、さらに晩夏には葦やススキが生い茂り散策路もこれらに覆われてしまうので散策にはあまり適さない状況となります。
6月中旬(ニッコウキスゲの見頃)
ニッコウキスゲが見頃を迎える6月中旬の光景。少々離れたところから見た光景ですが、遠くに黄色く見えるのがニッコウキスゲの群生です。この後湿原はノハナショウブが咲き紫色に彩られます。
ノハナショウブ
ノハナショウブが咲き始めたベンセ湿原。ニッコウキスゲの見頃が終わった7月上旬の光景。この後ノハナショウブの花が散ると草が生い茂げり下のような光景になります。
初夏の光景
ベンセ湿原初夏の光景。たくさんの野鳥の鳴き声が響くなかヤンマや瑠璃色をした蝶トンボが飛び回っていました。足下の湿原ではフナやコイが迷い込んだのか時折水をバシャバシャさせる音が聞こえてきました。
ニッコウキスゲ
ベンセ湿原のニッコウキスゲ。ニッコウキスゲ自体は日本全国の高原や海岸などで見ることができますが、ここまで群生している光景ははなかなかお目にかかることができません。こうしてみるとベンセ湿原にはニッコウキスゲしか生えてないようにようにも感じますが、他にもノハナショウブやススキ、葦などが群生しています。
岩木山
「ベンセ湿原」から見た津軽の
霊峰岩木山の光景。岩木山は津軽平野のどの地点からでも見える霊峰ですが、湿原越しに見る岩木山の光景が個人的には一番美しく見えると思います。