厳美渓と猊鼻渓の違いについて



 岩手県一関市には厳美渓(げんびけい)と猊鼻渓(げいびけい)という2つの渓谷があり、同地域にあり名前も似ていることからよく勘違してしまう観光客も多いのですが、厳美渓と猊鼻渓は特徴のまったく異なる渓流・渓谷でそれぞれ楽しみ方も違ってきます。そこで以下に厳美渓と猊鼻渓の違い・特徴を列記してみましたので参考にしてみて下さい。


厳美渓と猊鼻渓の違い


 以下に厳美渓と猊鼻渓、その違いと各々の特徴について紹介していきます。

特徴

厳美渓
 渓谷美が美しく橋や川岸の休憩所からの眺めが美しい。周囲は道の駅や温泉街があり比較的賑やか。有名な空飛ぶだんごがあるのも厳美渓。

猊鼻渓
 切り立った断崖が続く渓流を船頭さんが操る舟で下る。周囲は深い森に囲まれ壮大な景色が広がる。


名物

 厳美渓の名物が空飛ぶだんご貞山桜であるのに対して猊鼻渓の名物は舟下り(川下り)運玉、藤の花


「団子」と「饅頭」

 前述していますが団子で有名なのは厳美渓の方。なお猊鼻渓には「うんだまんじゅう」という猊鼻渓名物「運玉」 にあやかった饅頭がお土産として販売されています。



場所・地図

 厳美渓が東北自動車道一関 ICを降りて左折(秋田県の栗駒方面)約5分に対して猊鼻渓は ICを右折し(宮城県 気仙沼方面)約30分。両者の位置関係を記した地図はこちら→厳美渓と猊鼻渓の地図


舟下り・川下りはどっち?

 有名な舟下り・川下りが行われているのは猊鼻渓。ウグイや鯉が泳ぐ清流を舟で往復します。一方厳美渓は川の流れが速く急で舟下り(川下り)は行われていません。


散策

 厳美渓には渓流に沿って散策路や休憩所が設けられビュースポットが多数ありますが、猊鼻渓は切り立った断崖が続き徒歩による散策は不可となっています。


移動時間は?・バスで行ける?

 厳美渓、猊鼻渓両所の移動時間は車で30分。電車とバスを利用して50分ほど。これらアクセスの詳細は別途「厳美渓のアクセス・行き方」を参照。


ベストシーズン

 厳美渓と猊鼻渓は共に一関市にある渓谷で1回の旅行で両方巡る観光客も多くみられますが、観光ベストシーズンは?となると時期が微妙に異なってきます。厳美渓は春の桜と紅葉が有名な所であるのに対して猊鼻渓は渓谷の藤の花が満開となる新緑の季節と冬の屋形舟が有名です。しかしこれらを1回の旅で同時に見ることは不可能ですし、冬の厳美渓は閑散としています。それぞれ個性のある渓谷なので互いの最高の光景を同時に眺めることは無理ですが春から秋にかけては問題なく観光できるので自分の趣味趣向にあわせて旅をする日時を決めればよいでしょう。


厳美渓


 厳美渓は一関市随一の観光名所。磐井川の渓谷美の他、観光団子、春の桜紅葉が有名なところ。その昔渓谷の美しさに魅せられた伊達政宗公が桜を植え、茶室を建てたと伝えられている。
一関市 厳美渓


猊鼻渓


一関市 猊鼻渓  猊鼻渓は一関市北東部の東山地区にある景勝地。切り立った断崖の間を縫うように流れる砂鉄川を船頭さんの名調子を聞きながら舟で往復する。冬限定の屋形舟も人気がある。