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平泉町の見所・歩き方



毛越寺庭園 平泉町は2011年6月15日に世界遺産に登録された奥州藤原文化の都です。この平泉を代表する観光名所といえばまず第1に中尊寺があげられるでしょう。その他毛越寺、高舘義経堂など見どころには事欠きません。これらは比較的狭い範囲に集中してあるのでさほど苦労することもなく巡ることができると思います。
 交通手段は車、バスレンタサイクルがおすすめです(徒歩は距離的に少々厳しい)。平泉では町内至る所で観光案内地図を配布しているので、その地図を見ながら気になった所を巡るとよいでしょう。なお町内全ての観光施設が世界遺産に登録されているわけではありませんが、登録されているか否かなど気にせずブラブラ散策するのが平泉を楽しむコツだと思います。
 またこの地域は坂上田村麻呂、アテルイ、安倍氏、清原氏、源義家、奥州藤原氏、源義経・頼朝と多くの強者達が約400年に渡って覇を競い、栄華を極めそして散っていった所です。このような観点から平泉を眺めるとまた違った趣を感じることができると思います。


目 次 ※中尊寺や毛越寺といった有名スポットは別途紹介しています。

平泉と世界遺産
柳之御所遺跡
無量光院跡
高舘義経堂
金鶏山 
平泉の観光に要する時間
平泉の観光ベストシーズン
平泉のまつり・イベント 

平泉の観光





平泉と世界遺産


 2011年に世界遺産に登録された平泉町ですが、具体的に登録された文化財の対象は平安時代末期に建てられた建造物やその遺構となっており、その項目は以下の通りとなっています。

中尊寺:「金色堂、金色堂旧覆堂、経堂(金色堂のページを参照)」、大池伽藍跡
毛越寺:庭園(毛越寺庭園)、常行堂
観自在王院跡
・無量光院跡
・金鶏山

 ではこれらのものが世界遺産に登録された具体的な理由はなんでしょうか?それは「浄土思想の国造り」です。浄土思想とは簡潔に説明すると「極楽には阿弥陀様がいて、この世の生き物は死ねばそこで幸せに暮らせる」という思想です。極楽は仏国土ともいわれ、争いのない清らかな世界で妬みや中傷もなく人はおろか獣や鳥、魚まで万物が平等に暮らす事ができる世界です。
 藤原清衡が目指した国造りはまさにこの極楽浄土を現世に再現しようとしたもので、この点が東南アジアや中国、朝鮮などにある仏教施設とは大きく異なると評価されたのです。
 清衡は前九年の役で父と叔父を殺され、母は夫の敵である清原氏の妻にされ清衡も養子となります。さらに後三年の役では異父兄弟の弟に母と妻、そして子供を殺されてしまいます。最後は勝手に介入してきた父の敵の一人である源義家の力を借りて弟を討ち奥州の覇者となるのです。なんとも複雑で多くの肉親の血が流された半生ですがこのような経緯から平泉の地に極楽浄土を造りだそうと思い立ったのかもしれません。また後三年の役以降90年間、まったく戦のない平穏な日々が続いたことも国造りには大きな力となったに違いありません。

平泉の観光

平泉の文化はまさに黄金文化

中尊寺金色堂 須弥壇 京の都から見れば中央文化との交流が希薄な遠い異境の地でかつアテルイの時代から戦火が消えることのなかった平泉でなぜ短期間の間に世界でも希な浄土国家を形成することができたのでしょうか?多くの人が「そりゃぁ金が採れたからでしょ」と答えるに違いありません。しかしその答えは半分正解ですが半分間違いです。当時の日本人の感覚として金というのは仏像などに使われる高価な装飾品にすぎなかったのです。しかし藤原氏は金が世界でもっとも信用のおける通貨であることを知っていました。つまり「金を採掘する=国が豊かになる」という方程式を解読していたのです。当時の日本は古代世界大戦ともいえる白村江の戦い(663年)に敗れて以降鎖国状態にあるなかで藤原氏は十三湊を通じて樺太や沿海州、朝鮮、中国と交易していたので金が絶対的普遍の価値を持つことに気づいていました。そして金の価値を最大限利用して一時的とはいえ京の平安京をしのぐほどの国を作り上げたのです。
 金は現在の基軸通貨であるアメリカドルも遥かに及ばない普遍の基軸通貨です。アメリカドルがだたの紙くずになる事はあっても金がただの石ころになることはありません。日本以外のほとんどの国は通貨危機や世界恐慌に備えて金を備蓄しています。また交易によって国外の財を国内に取り入れるのは国を富ます基本です。奥州藤原氏はこの2つの大原則を守り短期間の間に平泉を世界最高レベルの都市に築き上げたのです。


柳之御所遺跡(資料館)


 柳之御所は奥州藤原氏が行政及び生活上の拠点として機能した場所といわれ、広大な敷地からは濠の跡や、多くの出土品が見つかっています。この地域では昔から数々の出土品が見つかっていることは知られていたのですが1980年代後半に行われた国道のバイパス工事に伴う調査で多数の出土品が見つかりその出土品が奥州藤原氏の時代のものであることが判明したため急遽バイパス工事は当該地を迂回させることとなり、「柳之御所跡」は史跡公園として保存され現在に至っているのです。
 現在柳之御所史跡公園に建てられた資料館では多くの出土品が展示され、柳之御所跡では現在も発掘調査が行われています。

平泉の観光

柳之御所資料館

柳之御所資料館 柳之御所資料館の光景。町の東側、北上川の畔にあり、奥州藤原氏が政務を行ったとされる柳之御所跡から出土したものが展示されています。


開館時間 午前9時〜午後4時30分
休館日 毎週月曜日(祝日等を除く)、年末年始、他臨時休館日あり
入館料 無料
駐車場 有り
地図で場所を確認する岩手県西磐井郡平泉町平泉伽羅楽108-1

出土品

柳之御所 出土品 柳之御所資料館に展示されている出土品。12世紀前後のものと思われる「かわらけ」や京や宋(中国)との交流を示す土器や陶磁器などが展示されています。


柳之御所史跡公園

柳之御所跡 柳之御所史跡公園の光景。公園では発掘調査も行われており掘、園地、堀立柱建物、便所跡などが見つかっています。個人的には数ある観光スポットのなかでは少々地味な存在のように感じられましたが、政治・行政上の拠点を示す重要な遺構で平泉の文化財の中では特に重要な位置づけとなっているのだそうです。
柳之御所跡の光景  こちらは道路を挟んで反対側の光景。正面には東北の大河北上川が流れています。資料館の説明には昔から北上川が氾濫する度に土器や陶磁器が出土していたと記されており、なんらかの重要な施設がこの場所にあったのではないかという認識は持っていたのだそうです。

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無量光院跡


  無量光院は奥州藤原氏三代目秀衡が宇治の平等院を模して造営した寺院で本尊は阿弥陀如来。2011年に中尊寺金色堂などと共に世界文化遺産に登録されました。無量光院は正面に建つと本堂、金鶏山が一直線に並ぶように建てられたと伝えられており、春と秋の2回夕日が金鶏山稜線上に沈んでいたと言われています。建物自体は火災により焼失しており現在発掘調査が進められている最中で、世界遺産に登録されたことで今後調査が一気に進むと予想されている遺構です。 

時間 無量光院跡前は広場になっており出入りは自由

料金 無料

駐車場 発掘現場の手前に車数台を駐められる空き地があります

アクセス
 平泉駅から、駅前の道を右折(北側)。そのまま道なりに進みガードをくぐっりさらに進むと左手に「無量光院跡」の発掘現場が見えてきます。平泉駅から車で数分で、徒歩でも10分程度の所にあります。

地図で場所を確認する岩手県西磐井郡平泉町平泉花立

無量光院跡の光景

無量光院跡の光景 無量光院跡の光景。春の光景で池には水が張られています。無量光院があった場所は池の対岸側で当時は橋が架けられていたと想像されています。

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無量光院跡と金鶏山

無量光院跡と金鶏山  無量光院跡と夕日が沈む金鶏山。このようにしてみると春秋彼岸の頃無量光院の正面に立つと奥にある金鶏山の頂上に日が沈むように建てられていたとされる無量光院と金鶏山の位置関係がよく分かります。

想定復元図

無量光院跡 想定復元図 無量光院の想定復元図。現地の無量光院跡地の説明図を撮影したもの。

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復元された無量光院

復元された無量光院  奥州市にある「えさし藤原の郷」で復元された無量光院。当時は藤原氏の住居である柳之御所から眺めると写真のように見えたと言われており、遠近感を持たせる為に実物より小さく作られています。

発掘調査

平泉町 無量光院跡 平泉町の無量光院跡発掘調査の光景。無量光院はご覧のように建物自体は消失してしまったのですが、堂や池の遺構が残されていて、現在復元作業が進められています。正面に見えるのは本堂跡で奥に見える山が同じく世界文化遺産に登録された金鶏山。

無量光院の発掘調査 無量光院跡を発掘調査している光景。丁寧に手堀りしている人達の前では測量調査も行われています。無量光院の調査は従前より行われていたが、世界遺産に登録されてからよりいっそう調査が進んだそうです。

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高舘義経堂


 高舘義経堂は正式には「衣川館(ころもがわのたち)」といい、その昔源義経が奥州藤原氏のもとに落ち延びた際に過ごした場所で、その後、藤原氏四代目泰衡の裏切りにあり自刃したとされる所です。義経堂からは松尾芭蕉も眺めたであろう雄大な北上川を望むことができ、平泉随一の眺望スポットとなっていますが、平泉が世界遺産に登録された理由の浄土思想と少々意が異なる建物なので平泉の世界遺産登録群からは外れています。

営業時間
 4月3日から11月4日まで(午前8時30分から午後4時30分)
 11月5日から4月4日まで(午前8時30分から午後4時まで)

休業日 年中無休

料金 大人200円、子供50円  ※団体割引有り。

駐車場 車数台を駐められる駐車場あり。駐車料金は無料。

アクセス
 無量光院跡等がある駅前の通り(国道4号線より1本北上川側を通っている道路)沿いにあり、所要時間は平泉駅から車で数分の所にある。また中尊寺からの所用時間は徒歩でも10分ほどです。

地図で場所を確認する岩手県西磐井郡平泉町平泉字柳御所14

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義経堂の光景

高舘義経堂 平泉町の高舘義経堂。源義経が生活をし最後を遂げた終焉の地とされ、仙台藩主第四代伊達綱村が義経を偲んで建立したもの。眼下に北上川を見下ろすことが出来るビュースポットで松尾芭蕉も訪れたとされる平泉の有名スポット。
高舘義経堂 入り口  平泉町の高舘義経堂(たかだちぎけいどう)の入り口。源義経が自刃した地とされており、北上川のほとりに建てられている。なお上記の義経堂はこの正面階段を登った所にあります。
高舘義経堂からの眺め 高舘義経堂から眺めた北上川。眼下にはのどかな田園風景が広がる。有名な衣川は左手1kmほどの所にあり、ここからは見ることができません。この辺りは山々が北上川、衣川にせり出し軍事防衛上重要な拠点として、古来から戦場になった場所でもあります。

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松尾芭蕉句碑

松尾芭蕉句碑 この地にて若くして散っていった義経の事を歌った松尾芭蕉の句碑。有名な「夏草や 兵どもの 夢の跡」の句が刻まれています。義経堂からはちょうど反対側に建てられており、松尾芭蕉は義経堂からの眺めのもとにこの俳句を詠んだと言われています。
 なお余談となりますが松尾芭蕉は大の義経ファンであり平泉の高舘義経堂は絶対に外すことのできないスポットだったとされています。

金鶏山


平泉町の金鶏山 金鶏山は平泉町のほぼ中央部に位置する標高600mほどの小高い独立峰です。奥州藤原氏が仏国土の町造りを行う際に空間的基準とし信仰の対象となった山で、位置的には無量光院の西側、中尊寺と毛越寺の中間点にあり中尊寺、毛越寺は金鶏山に整備されている散策道でつながっています。 麓には、千手堂や五輪塔、平泉文化遺産センターなどがあり昔はキャンプ場もあったのですが現在は閉鎖状態となっています(民家に囲まれていますが営業を再開しました)。
 言い伝えでは奥州藤原氏三代目・秀衡が無量光院の西側に築かせたといわれ、山頂に雄と雌の黄金の鶏を埋めたという伝説がありそこから金鶏山の名前がつきました。
 ただし金鶏山は平泉の仏国土造りの基準となった信仰の山と言われていますが、秀衡の代に築造された山であるならば、金鶏山を空間的基準としている主要な建造物はすでにできあがっているはずで言い伝えには少々矛盾点も多いのが事実です。
 なお2011年の世界遺産登録時にはこの金鶏山も「浄土思想の建築物と密接な関わり合いがある」という理由で世界遺産に登録されています。

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無量光院跡から見た金鶏山

無量光院跡から見たと金鶏山 無量光院跡から見た金鶏山。無量光院から見ると金鶏山は真っ正面に位置し、ちょうど夕日が沈む位置にある。また金鶏山は平泉町のほぼ中心部にあり小さくて目立たないが町のどこからでも見えるシンボル的存在。

毛越寺から見た金鶏山

毛越寺から見た金鶏山  毛越寺の浄土庭園から見た金鶏山。浄土庭園の要となる「大泉が池」の水は金鶏山からの湧き水を遣水と呼ばれる水路で導水したもの。

平泉の観光に要する時間


  平泉町は東北を代表する観光地。見所はたくさんあり、全てを観光するのであれば最低でも半日は必要。平泉駅前のレンタサイクルを利用して丸一日かけて平泉町内を観光するのもお勧め(なおレンタサイクルについては別途「平泉のレンタサイクル」を参照)。また平泉周辺のバスについては別途「平泉、厳美渓のバス」を参照。


平泉町おすすめの時期 観光ベストシーズン


 平泉町・一関市の観光ベストシーズンは桜が咲く4月下旬から、紅葉や菊祭りが行われる10月下旬から11月上旬にかけて。特に春の桜と秋の菊祭りの時期は多くの人で賑わいます。また各種行事や祭事は冬の期間も行われ大晦日から正月にかけて中尊寺や毛越寺では初詣客で大いに賑わいます。

平泉町の祭り・イベント 


春の藤原祭り
春の藤原祭り 平泉町で5月1日から5日まで行われる春祭り。中尊寺や毛越寺を中心に町中で郷土芸能やイベントがみられる。


秋の藤原祭り
秋の藤原祭り 平泉町で11月1日から3日まで行われる秋祭り。同時期に開催される菊祭りとあわせて郷土芸能や舞い、能や狂言が披露される。 






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