十二湖の見所・歩き方



 十二湖は世界遺産白神山地の西側に位置する複数の湖の総称です。湖沼群の美しさから白神山地とともに紹介されることがよくありますが実際には世界遺産区域からは外れています。この十二湖、ブナの原生林のなかにある湖沼群は33と云われていますが、大崩(標高694m)の頂上から見ると湖沼数が12に見えることから十二湖といわれており、これらの湖は1704年の大地震による崩山(くずれやま)の崩壊で塞き止められた川から形成されたのではないかと推定されています。
 十二湖の湖はそれぞれ個性的な光景・水質を持っており、中でも水面がエメラルドグリーンに輝く青池は特別な美しさを誇っていますがその理由は未だはっきりとは分かっていないそうです。また水源は密集しているブナの原生林がダムのように含有している伏流水とされており、十二湖の周辺では水質の良い水が各所で湧出し、また麓の深浦町では良質の温泉もあります。
 なお十二湖は前述してあるとおり世界遺産の範囲からは外れていますが白神山地西側の入り口ともなっています。しかし十二湖方面から白神方面に通じる道は悪路の為、利用はお勧めしません。

山開き期間
 4月〜11月(注:十二湖は白神山地のなかでも特別に早く山開きとなります。この為、4月は十二湖には行けますが、他の白神の山々には入れないので注意が必要です)

地図



目 次

十二湖の観光所用時間
十二湖の駐車場
観光ベストシーズンは?
十二湖散策マップ
ビジターセンター
トレッキング
紅葉
十二湖庵
森の物産館キョロロ
リフレッシュ村(旧キャンプ場)



十二湖の観光所用時間


 一番人気の青池周辺の散策には約1時間。日本キャニオン展望台散策には約30分。他散策コースは1周約1時間30分から3時間20分とさまざまありますが、湖全体を隅々まで観光しようと思えば丸1日あっても足りません。トレッキングの項でも紹介していますが一般的な旅行者であれば青池→ブナ林→沸壺の池と巡るコースがおすすめです(所要時間は1時間強)。
 また周辺にある夕日が美しいことで有名な青森県深浦町にも見所は多数あるので併せて観光するのがお勧めです。
※十二湖を組み入れた青森県及び秋田県の観光モデルコースは別途「青森空港」「大館能代空港」及び「弘前駅」「新青森駅」「秋田駅」の各ページを参照。

駐車場


 エリア内には小規模ながら駐車場が8箇所ほどありほとんどが無料となっています。ただしメインとなる青池に一番近い大規模な駐車場は有料(普通車500円・中大型車1500円・自動二輪車200円)。駐車場の場所については散策案内地図を参照。


十二湖 おすすめの時期 ベストシーズン


 十二湖の観光シーズンは新緑が始まるGWから秋の紅葉の季節までの間。冬場(11月下旬〜3月下旬)は周辺の道路が通行止めとなり、十二湖エリアにも入れなくなるので注意が必要。なおアオーネ白神十二湖では冬の間もスノートレッキングやスノーハイク等のガイドプランを提供しており、これら現地のガイド付きツアーであれば冬場でも十二湖エリアに入ることは可能です。

  ↑ページの先頭へ戻る↑

十二湖散策マップ


 十二湖の散策マップは十二湖に行けば至る所で手に入れることができます。メインのおすすめコースは蒼色で塗りつぶされたコースで景色もさることながら、所要時間は1時間ほどと短く坂道も少ないので気軽に散策できるコースとなっています。また他にも散策路は多数ありますが勾配がきつく距離も長い為、散策する場合はそれなりの時間と準備が必要です。
 なお駐車場は地図に記されている通り多数ありますが森の物産館キョロロにある有料駐車場以外は無料ですが車数台が駐車可能な小規模の駐車場となっています。

十二湖散策マップ
  ↑ページの先頭へ戻る↑


十二湖ビジターセンター


 十二湖のビジターセンターは十二湖全体の模型や白神山地、十二湖付近に住む動植物に関する資料が展示されている案内施設です。施設のすぐ隣には幻の魚「イトウ」の養殖場があり、巨大魚イトウを間近をみることもできます。
 またビジターセンターの周辺にはたくさんの湖沼群があるので、十二湖散策の拠点としても便利な所です。なお十二湖の湖沼群は大半が観光客用の小規模な駐車場を備えていますがビジターセンターから先は駐車禁止の区間となっています(道路終点まで行くと大規模な駐車場が整備されています)。 

営業時間 8:30〜16:00
観覧料金 無料
休館日 無休(冬期閉鎖 12月〜4月) 
備考 王池前バス停留場から歩いて10分ほどの所にあり、JR五能線十二湖駅から弘南バス十二湖行きで来る事もできます。

地図で場所を確認する


十二湖ビジターセンター  十二湖ビジターセンター。越口の池の畔にあり駐車場も整備されており、ビジターセンターのすぐ脇には幻の魚といわれるイトウの養殖場もあります。
十二湖ビジターセンター内部  十二湖ビジターセンター内部の光景。十二湖を中心とした自然や動植物の生態などを説明、展示しています。中は照明をおとしているのか少々薄暗く感じました。

ビジターセンターの駐車場

十二湖ビジターセンター駐車場 ビジターセンターの駐車場。車が数台おける程度の広さですが料金は無料。また道路を挟んで反対側にも駐車スペースが設けられています。

イトウの養殖場

幻の魚 イトウ  幻の淡水魚と言われるイトウの養殖場。右隅に立っている人と比べればイトウの巨大さが分かります。このイトウは麓のアオーネ白神十二湖で食べることができる。


  ↑ページの先頭へ戻る↑

十二湖の散策・トレッキング


 十二湖は海沿いをはしる国道101号線から十二湖方面(内陸の山間部方向)に車を走らせていくとまもなく「日本キャニオン」と書かれた看板がありトイレと駐車場が姿を現します。十二湖観光はここからはじまります。さらに先に進むとビジターセンターまでの間に小規模ながら各池ごとに駐車場が整備されており、ドライブしながら各池を観光することができるようになっています。ビジターセンターから先にも湖沼群はあるのですが駐車場が無く道路も駐車禁止となり少々不安になりますが、突き進んでいくと終点である森の物産館キョロロに到着します。ここには大規模な駐車場があり、最大の観光スポットである青池や先ほど通り過ぎてきた湖沼群まで歩いて散策ができるようになっています。時間に制限がある方は一気に森の物産館キョロロまで行き、青池を散策するのも一案です。
 なお旅行者に一番おすすめなコースは青池→ブナ林→沸壺の池と巡るコース。比較的平坦な道が続き歩きやすく、青池、湧き壺の池と十二湖でも1,2位を争う人気スポットを約1時間ほどで巡ることができます。服装は比較的軽装でも十分で、晴れている日はスニーカーでも問題ありません。ただし汗拭き用のタオルや夏場の虫除け対策(春や秋は必要ありませんが8月は必須です)は最低限の常識として準備しておきましょう。

八景の池

十二湖 八景の池 十二湖の「八景の池」。十二湖の散策で最初に見ることができる池で、日本キャニオン展望所の入り口の向かい側にあります。ここに車を停め徒歩で十二湖を散策する事も可能ですが、位置的に十二湖エリアの入り口付近なので、かなりの時間と体力を要します。

王池

十二湖  王池 十二湖の「王池」。東湖盆(王池東湖)と西湖盆(王池西湖)の二つの池で形成される湖。周辺をブナの原生林に囲まれた美しい光景が広がる。なおここから「日暮の池」や「十二湖リフレッシュ村」へ続く散策路が分岐しています。

鶏頭場の池

十二湖 鶏頭場の池 十二湖の「鶏頭場の池」。駐車場がある「森の物産館キョロロ」から「青池」に続く散策道の途中にあります。湖の形が鶏の頭の形に似ていることからこの名前がつけられたそうです。
鶏頭場の池のロープ 十二湖「鶏頭場の池」の散策路にかけられたロープ。野鳥の繁殖時期に人間がむやみに立ち入らないようにとの配慮で設けられています。看板には「自然界においても少子化が進んでますので見守ってあげて下さい」と記されていました。

中の池

十二湖 中ノ池  十二湖の「中の池」。近くには「十二湖ビジターセンター」や「十二湖庵」がある。中の池付近は駐車禁止となっていますが、数百メートル先に大規模な有料駐車場があります。 

登山道入り口

大崩・白神岳入り口 大崩・白神岳方面に向かう登山道の入り口。鶏頭場の池と青池の散策路途中にあり、大崩山頂までは約1時間の行程この。大崩山頂から見下ろすと湖が12個見え、「十二湖」の名前の由来となっているとされています。

十二湖は森林セラピー基地

 森林セラピー基地とは林野庁やNPO法人が主導となって広めているリラックス効果が得られる森林を歩いて心身をリフレッシュしようというもので青森県では十二湖が認定されています。ブナの原生林やせせらぎの音、自然豊かな湖沼群等が認定された決め手となったそうですが、せっかくセラピー基地に認定されているのですから皆さんも訪れた際にはじっくりと散策路を歩いてみていかがでしょうか。


  ↑ページの先頭へ戻る↑

十二湖の紅葉


 十二湖は青森県西海岸を代表する紅葉の名所です。たくさんある湖沼群に紅葉した木々が写る様は壮麗の一言につきます。青池が有名な十二湖ではありますが、紅葉の時期に限っては他の湖沼群の方が主役となっているような気がします。なお紅葉の見頃は毎年10月の下旬頃となっています。

中の池

十二湖 中の池 十二湖 中の池の紅葉。中の池湖畔には車数台が駐車できるスペースがあり、そこから湖の紅葉を眺めることができる。中の池では様々な色に紅葉した木々が湖面に映りとても美しい光景を見せてくれた。

鶏頭場の池

十二湖 鶏頭場の池の紅葉 十二湖鶏頭場の池の紅葉。青池につづく散策路から見た光景。近くを歩いていた家族連れも立ち止まり紅葉をバックに記念写真を撮っていました。

森の物産館キョロロ

森の物産館キョロロ 十二湖の駐車場から降りてくる階段の途中から見た光景。森の物産館キョロロが紅葉した木々にすっぽりと覆われていました。駐車場からの光景はほとんど紹介されることはありませんが、なかなか見事な光景。 
  ↑ページの先頭へ戻る↑

十二湖庵


 十二湖庵は落口の池の前にある茶室です。青池から歩いて15分程度のところにあり観光客の寄付で運営されており無料で利用することができます。茶室からの眺めは風光明媚な光景で、十二湖を訪れた際には是非とも立ち寄ってもらいたいスポットのひとつです。


地図で場所を確認する

茶室 十二湖庵

十二湖庵全景 十二湖庵。落口の池の向かいにある。訪れる観光客の善意の寄付で運営されており、誰でも無料で利用できる。白神山地から湧き出る水で沸かしたお茶を飲みながら眺める十二湖はまた格別です。

十二湖庵 十二湖庵から眺めた落口の池。茶室から道路を挟んだ反対側は展望所となっており視界を遮るものが無いので茶室で休みながら眺望を楽しむことができます。
十二湖庵の茶室 十二湖庵の茶室。落ち着いた作りになっている。正面に落口の池があり、庵のすぐわきに清流が流れているので、夏場の時期でも風通しがよく涼しい。無料でお茶を楽しむことができますが善意の寄付は忘れずに。

長寿観音

十二湖庵 長寿観音 十二湖庵の隣にある長寿観音。湧壺の池から流れてくる清流の脇にたてられている。脇には水飲み場があり十二湖の散策で乾いた喉を潤したり汗で濡れたタオルを冷やすにはちょうど良い冷たさ。

湧き壺の池

十二湖 湧壺の池  十二湖の湧壺の池。青池から十二湖庵を結ぶ遊歩道を散策していると見えてきます。湧壺の池も青池同様エメラルドグリーンに輝いていますが、湧壺の池に流出入している水自体は不思議なことに無色透明。湧き壺の池の水源は池のほとりにある桂の大木の根元から湧き出る白神山地の伏流水。
湧き壺の池 こちらは湧き壺の池を上流側から見た光景。ちょうど写真の中央付近で透明な水がエメラルドグリーンに変化しているのが分かります。また最下流部の長寿観音に湧き出ている水も透明なので、水そのものが変色したわけではないことははっきりしている。


↑ページの先頭へ戻る↑

森の物産館キョロロ


 森の物産館キョロロは十二湖(白神山地)最大の観光スポット青池を中心とした散策の拠点に最適の観光物産館で、十二湖へ通じる道路の終着点にあり、十二湖散策の拠点、休憩所となる施設です。また路線バスの停留所もあり十二湖周辺では一番賑わいを見せるエリアとなっています。

営業時間 8:00〜17:00
定休日 無し。※12月1日〜4月中旬の間は冬期休業。
お土産店
  地元の特産品やソフトクリーム等を販売。特に目に付くのがリンゴを加工したもの。その他カワセミ3兄弟クッキー525円や白神ラスク630円といったお菓子も販売されています。
駐車場 一般500円、中・大型1,500円 170台駐車可能
所在地 青森県西津軽郡深浦町松神 ※場所は別途「散策地図」を参照。

キョロロ

森の物産館キョロロ 十二湖の「森の物産館キョロロ」。ここには車を130台停められる有料駐車場があり、観光ガイドも常駐しています。青池にも歩いて行ける所にあり、十二湖散策の拠点には便利なところ。

館内の光景

森の物産館キョロロの食堂  食堂から見た森の物産館キョロロの館内。食堂といっても館内の一画をフェンスで仕切り食堂スペースにしている。メニューは山菜そばやうどん、ラーメンといった軽食がメインで、地元のおばちゃん達がつくってくれます。
森の物産館キョロロ  こちらは物産コーナーの光景。地元深浦町の他、青森県津軽地方を中心にした特産品や民芸品が販売されています。館内にはトイレや食堂もあり、イメージ的にはレストハウスを兼ねた観光発信基地といった感じ。

駐車場

十二湖の駐車場  十二湖の駐車場。県道の一番奥、キョロロを見下ろす高台の上に整備されており大型車両も駐車可能。規模は大きく安心して駐車できるのだが、道中に駐車場の看板が無いので初めて訪れる方は「この先に駐車場はあるのだろうか?」と少々不安になることもあります。
  ↑ページの先頭へ戻る↑

リフレッシュ村(旧キャンプ場)


 十二湖リフレッシュ村は十二湖に多数ある散策路、湖沼群のほぼ中央部に位置するログハウスサイトで周囲をブナの原生林に囲まれた最高のロケーションとなっています。 
 しかし昔は多くのキャンパーで賑わい筆者も何度か利用させてもらいましたが、現在キャンプサイトは使用休止のうえ、ログハウスも3日前までに予約が必要となっています。昔キャンプサイトを利用したことがある人は当時の感覚で訪れると大変な事になるので(キャンプはログハウスの利用がある日のみ営業してなく実質休業状態ですし、ログハウスも事前予約しないと使用できない)気をつけてほしいと思います。

営業期間 4月下旬〜11月上旬
ログハウス使用料:10,000円〜25,000円
土日祝日及びGW、お盆期間は特別料金が加算される。また利用の際には3日前までに予約が必要な完全予約制。なおテントサイトはログハウスの利用がある日のみ営業。

問い合わせ先:0173-77-3311
地図で場所を確認する


ログハウス

十二湖リフレッシュ村  多くの行楽客で賑わう十二湖リフレッシュ村。施設は設備の整ったログハウスなので年配の方や子供連れの家族に人気がある。
十二湖リフレッシュ村 十二湖のリフレッシュ村の秋の光景。十二湖のビジターセンターや青池などがある主要道路から外れているため少々見つけにくいところにあります。しかし十二湖エリアのほぼ中央部、大自然のど真ん中に位置しロケーションは最高でした。
十二湖ビジターセンターのログハウス  ログハウスで食事をする観光客。季節は秋で朝晩の冷え込みもだいぶ厳しくなっていたが、こういう季節の時、ログハウスは便利で使い勝手がよい。

受付

十二湖リフレッシュ村の受付  十二湖リフレッシュ村の受付。リフレッシュ村は狭い山道を5分ほど進んでいった先にある。すれ違いが困難な所もあるので車の運転には十分な注意が必要。
  ↑ページの先頭へ戻る↑



青森県の観光地一覧


弘前城 十和田湖  三内丸山遺跡 十二湖(白神山地) 岩木山・岩木山神社 八甲田 奥入瀬渓流 八戸市 深浦町(千畳敷海岸) 芦野公園 白神山地 仏ヶ浦 太宰治記念館「斜陽館」 浄仙寺 蕪島 下北半島 弘前市・黒石市 猿賀神社 階上岳 間木堤(白鳥飛来地) 青森市 種差海岸 薬研温泉(渓流) 中野もみじ山 新郷村(キリストの墓) 南部町・名久井岳 恐山 津軽半島