角館の樺細工(桜皮細工)



 樺細工とはヤマザクラの樹皮を乾燥させニワカで接着した角館に伝わる伝統工芸品です。作品は印籠や茶筒、小箱など身近なものから箪笥といった大型の家具まで色とりどりですが、どれもとても桜の樹皮で作ったとは思えない光沢と重厚さがあり、角館では一生もののお土産として人気の工芸品となっています。


樺細工伝承館


 樺細工伝承館は角館の伝統工芸品である樺細工の展示販売や歴史などを紹介している伝承館。館内には観光案内所や物産店、休憩所などもあり、建物前にある枝垂れ桜は角館随一の美しさといわれています。

営業時間 9:00〜17:00(4月〜11月)、9:00〜16:30(12月〜3月)

休館日 年末年始 (12月28日〜1月4日)  

料金 大人500円、小人300円 (団体割引有り)

アクセス JR角館駅より徒歩15分

地図で所在地を確認する秋田県仙北市角館町表町下丁10-1

駐車場 別途「角館の駐車場」を参照 



樺細工伝承館の光景

角館 樺細工伝承館 角館の樺細工伝承館。武家屋敷通りの中心交差点部に建っており、建物は他の武家屋敷とは一線を画し洋風でモダンな作りとなっています。
樺細工伝承館と枝垂れ桜 樺細工伝承館と枝垂れ桜。有名な角館の枝垂れ桜は樺細工伝承館に面した通りに数多く植えられており、伝承館の敷地内にも立派な枝垂れ桜が植えられており人気の撮影スポットとなっています。

館内の光景

樺細工伝承館 館内の光景 樺細工伝承館、館内の光景。館内には複数の展示室の他、売店も設けられており様々な樺細工を見ることができます。写真は売店の光景で、日常使用する物はほとんど揃っていました。
樺細工(矢筒) こちらは展示室に飾られてあった「矢筒」。売約済みと札が貼られており値段を確認したら18万円ほどでした。矢筒を使う人はいないと思うのでおそらく装飾用だとは思うのですが、このような高価なものでも販売済みのものが多くみられました。

角館樺細工センター


角館武家屋敷 樺細工センター 角館の武家屋敷にある「角館樺細工センター」。旧角高グラウンド駐車場がある大通り沿いにあり、その重厚な造りは道行く人の足を止めふりかえさせるほど武家屋敷の町並みと桜によく似合う建物となっています。なお同店は角館の郵便局通りにもあります。
樺細工センター 樺細工センター早朝の光景。昼間は多くの観光客で賑わう樺細工センターの通りも早朝はひっそりとしています。樺細工センターは武家屋敷通りに2軒ほど店舗を構えており角館の中心的観光スポットのひとつとなっています。


樺細工とは


 樺といえば通常白樺の木を思い浮かべますが樺細工では独特の光沢を放つ山桜の木肌が用いられています。元々は秋田県の阿仁地方(現在の北秋田市)の修験者達に代々伝わっていた技法ですが、200年ほど昔に修験者の御処野家より伝承され、以来下級武士の冬の間の内職として角館で技術、伝統が育まれてきました。今では阿仁地方の技法は途絶え樺細工は角館だけの伝統工芸品となっているのです。
 樺細工には「型もの」「たたみもの」「木地もの」などといった数多くの技法があり、これらの技法を用いることにより、ブローチから茶筒、はたまた箪笥や硯といったあらゆる物を作ることができるのです。