宇治橋と五十鈴川



 宇治橋は清流五十鈴川に架かる橋で内宮の玄関口にあたり俗世と神域の境界の役割を果たしています。この為、橋の両詰めには鳥居が立ち冬至の朝には鳥居の真ん中から朝日が昇るようになっており多くの参拝客が集まる場所となっています。特に元旦朝には大鳥居真ん中から登る初日の出を拝もうと多くの参拝客で賑わいます(伊勢神宮では宇治橋前正面には標高約367メートルの島路山があるため、朝日が出るのは日の出時刻よりも約40分遅くなっています)。なおこの鳥居は内宮と外宮の正殿棟持柱を20年間つとめた木を再利用して作られたもので、宇治橋の鳥居として20年間つとめた後は、内の鳥居は「関の追分」へ外の鳥居は「桑名の七里の渡し」へ移築されさらに20年間使用されます。つまり鳥居の木は合計3箇所を足かけ60年間おつとめするのです。

宇治橋


伊勢神宮 宇治橋 伊勢神宮の宇治橋。五十鈴川に架けられている橋で伊勢神宮内宮の玄関口。紅葉の美しいスポットとしても知られており、宇治橋付近の光景はテレビや雑誌で誰でも一度は見たことがあるのではないだろうか?

宇治橋と五十鈴川 伊勢神宮(内宮)の玄関口である宇治橋と下を流れる五十鈴川。五十鈴川の川岸は石積みによって護岸されており、清流を泳ぐ鯉を観賞したり、御手洗場があったりと内宮参拝の重要ポイントのひとつとなっている。



五十鈴川


宇治橋から見た五十鈴川 宇治橋からみた五十鈴川。伊勢の原生林から流れ出た五十鈴川は内宮南側半分を流れ下っていく。まさに御神域と俗世とを隔てている清流。

御手洗い場


伊勢神宮 御手洗い場 五十鈴川の畔に設けられた御手洗い場。参拝する前にはここで心身を浄めリフレッシュしてからお参りをすることになる。なお境内にはこの御手洗い場とは別に手水舎もちゃんと設置されている。

伊勢神宮と五十鈴川


 古来より清流や滝は悪しき穢れを大海まで流してくれると考えられており、伊勢神宮内宮を流れる五十鈴川も清めの儀式では数々の重要な役割を担っています。まず神職に就かれている方々が日々五十鈴川で身を清めていますし、20年ごとに行われる伊勢神宮最大の神事である遷宮の儀でも神前に供える神宝や装束をおはらいして清める「川原大祓(かわらおおはらい)」が行われています。
 日本の最高神を祀る神社を流れる清めの川。皆さんも伊勢神宮を訪れた際にはこの清めの川「五十鈴川」にも一度立ち寄ってみてください。