石上神宮(いそのかみじんぐう)



石上神宮 石上神宮は言い伝えでは崇神天皇7年(西暦91年)に創建されたとされる古社で、日本最古の歴史書である「古事記」や「日本書紀」にも記載が確認される神社です。これらの歴史書に記されている「神宮」は石上神宮の他は伊勢神宮だけとされており、記述内容からは日本最古の神宮となっています。

 また石上神宮は古代日本における有力豪族で大和朝廷の武器の製造や管理を行っていた「物部氏」の氏神でもあり、神社は元々大和朝廷の武器庫があったとされる場所に建っています。この他、祭神は神武天皇が東征の際に使用したとつたわる伝説の剣を神格化した「布都御魂大神」であり、武器や剣に縁のある神宮で明治時代の発掘調査では剣や玉、鏡などが出土しています。


公式HPhttp://www.isonokami.jp/


石上神宮の時間


観光・参拝に要する時間

 石上神宮の境内はさほど広いわけでもなく、奥の方は立ち入りできない禁足地となっており、境内全ての摂社や末社に参拝しても要する時間は30分ほどとなっています。


参拝時間・料金

 石上神宮の参拝時間は5時から18時となっており(季節により若干変動します)、境内散策は自由となっています(料金無料)。



七支刀・剣


七支刀

 石上神宮には数多くの神宝が伝わり、国宝に指定されているものもあります。これらの国宝のなかでもっともよく知られているのが七支刀といわれる独特の形をした剣です。

 この七支刀は石上神宮の神庫から見つかったもので、当初は「六叉鉾(ろくさのほこ)」と呼ばれていたのですが、現在は刀身に記された銘文により「七支刀」と呼ばれています。 
 刀身の名文については現在も研究が続いていますが、4世紀の頃百済(現在の朝鮮半島にあった国)から献上された「七枝刀(ななつさやのたち)」ではないかと推測されています。


石上神宮と剣

 石上神宮は「剣」と馴染みの深い神社です。上述の七支刀の他にも御祭神は剣であることや、江戸時代後期から明治時代初期にかけて言い伝えに基づき禁足地を発掘調査したところ宝剣や曲玉などが出土するなど「剣」にまつわるお話はいくつも伝わっています。
 石上神宮の創建自体も剣と深く関わりがあり、御神体である布都御魂剣は武甕槌・経津主二神による葦原中国平定の際に使われた剣で、神武天皇の東征の際神武天皇が危機に陥った時に、高倉下を通じて神武天皇に渡され(夢に天照大神、高木神、建御雷神が現れ高倉下に剣を渡した)危機を脱したと伝えられています。
 その後「剣」は宮中に祀られていたのですが、崇神天皇の時代に宮中外に出すよう勅命が出され、物部氏が現在石上神宮がある場所に遷し現在にいたっています。
 なお崇神天皇は布都御魂剣の他に八咫鏡も宮中の外に出すよう命じています。こちらの八咫鏡は伊勢の地に遷され後の伊勢神宮となるのです。

 また御神体である「剣」ですが、素戔嗚尊(スサノオのミコト)と天照大神との誓約により宗像三姉妹を生み出した剣であり、素戔嗚尊が八岐大蛇を切ったときの剣でもある「十拳剣(とつかのつるぎ)」であるという言い伝えも残されています。ただし十拳剣とは「10束(束は長さの単位で、拳1つ分の幅)の長さの剣」という意味を持ち、日本神話において様々な場面で様々な神々(人々)の所持品として登場していることから現在は一つの剣の固有名称ではなく、長剣の一般名詞と考えられ、それぞれ別の剣であるとされています。
 ですからこの場合は「素戔嗚尊が所持していた剣」と表現した方がニュアンス的には正しいと思います。


禁足地


禁足地 立ち入り禁止 石上神宮は元来、他の多くの神社で見られるような本殿はなく、御神体である神剣を地中に埋め、盛り土をし聖域としたうえで信仰していたと考えられています。
 この聖域は現在の拝殿後方部分にある「禁足地」と呼ばれる区域に相当しており、現在も「布留社」と刻まれた剣先状石瑞垣で囲まれ許可無く立ち入りは禁止されています。
 
 現在本殿は禁足地の中に設けられていますが、これは明治時代に言い伝えにもとづき禁足地を発掘したところ神剣が出土した為、この神剣を祀る為に造営されたものです。
 また禁足地は東西44.5m、南北29.5m、面積約1300平方mとなっており、前述の本殿の他に七支刀をはじめとした神宝を保管している神庫などが設けられています。



石上神宮の鶏


石上神宮の鶏 石上神宮の境内には烏骨鶏、東天紅、レグホンといった鶏が約30羽ほど放し飼いにされています。
 これらの鶏はもともと石上神宮で飼われていたものではなく1970年代に奉納され、以後自然繁殖や奉納などにより個体数を維持し現在にいたっています。
 鶏が奉納された由来や理由などはっきりとは分かっていないのですが、元々鶏は天の岩戸伝説に登場する常世長鳴鶏(とこよのながなきどり)とされ伊勢神宮では神の使いとして境内で放し飼いにされているなど古来日本においては縁起の良い生き物として親しまれてきました。
 そのような理由から鶏が放し飼いにされているものと推測されていますが、現在鶏たちは石上神宮を象徴する光景のひとつとなっており、そのユーモラスな仕草や姿は参拝に訪れた人達を癒し続けているのです。


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