奈良県のパワースポット 一覧



 奈良県は日本における中央集権発祥の地とされ、日本を平定する為に九州日向の地から東征を行い奈良の地にやってきた神武天皇は皇紀元年(紀元前660年)に奈良県橿原市で即位したと伝えられています。 以後794年に京の平安京へ遷都されるまで奈良盆地は日本における政治・文化・信仰の中心として機能を果たします。
 このような歴史をもつ奈良盆地は、太古の昔より信仰されてきた礼拝施設が数多く存在し、神社を中心とした観光地にもパワースポットといわれている場所や建造物が多数あるのです。


「パワースポット」とは?
 そもそもパワースポットとは自然界に存在する癒しをはじめとした様々な効果のある特別な場所の事をいいますが、日本においては神社仏閣の占める割合が多くみられます。これは日本が多神教の国で(キリスト教、イスラム教等は一神教)山や川、巨石や巨木とあらゆるものに神様が存在していると考えられていることと関係があると推測され、外国では特別な気を感じるような場所をそのままパワースポットとしているのに対して、日本ではそのような場所は古来神様が宿ると考え社を建て信仰してきた為、神社仏閣のパワースポットが数多くあると考えられています。
 ですからパワースポットの神社仏閣巡りをする時は敷地内にあるパワースポットと呼ばれる場所だけではなく、古くから信仰されてきた神様や仏様にもちゃんと挨拶をしその場所や神仏の由来などもちゃんと理解することが大切なのです。


三輪山・大神神社


奈良県のパワースポット 三輪山 大神神社 蛇 蛇を象徴する神様でもある大物主神を祀る神社。背後にそびえる三輪山をご神体としており、奈良県はおろか日本を代表するパワースポットとして知られています。境内には大神神社のほかに磐座、夫婦岩、御神水、なでうさぎといったパワースポットや御利益スポットとして知られた場所がいくつかあります。
 なお三輪山・大神神社の詳細については別途「パワースポット三輪山(大神神社)のご利益」のページをご参照ください。

効果・御利益

 主な御利益・効果としては五穀豊穣、病気治癒、産業振興、縁結び、夫婦円満、恋愛などが知られています。




天河神社(天川村)


奈良県のパワースポット 天河神社 天河神社は奈良県天川村にある弁財天を主祭神とする神社で正式名称を「天河大弁財天社」といいます。弁財天は神道における宗像三女神の一人、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)と同一神とされ、芸能の神様として知られています。古くは能や舞の上達を願う人が多く訪れたと伝えられていますが、現在は芸能界の方々も芸事の上達を祈願しによく訪れているそうです。

地図で場所を確認する奈良県吉野郡天川村坪内107


効果・御利益

 天川村の天河神社の効果・御利益は前述してあるとおり「諸芸の上達」。芸能にかぎらず習い事や料理といった芸事を上手にこなせるようになるとされています。また弁財天は財宝神でもあり金運や商売繁盛の御利益もあるとされています。


八咫烏神社


 八咫烏(やたがらす)とは下鴨神社に祀られている賀茂建角身命(賀茂一族の祖とされています)の化身で3本足のカラスとされています。神代の時代、宮崎県の高千穂に住んでいた神武天皇(初代天皇)が東征の際に八咫烏に導かれ那智の浜から大和の地に進み都をつくることができたといわれています。また592年には政変により都を追われた蜂子皇子が庄内由良港(現在の山形県)に上陸した際も八咫烏と思われる三本足のカラスに導かれ現在の出羽三山を開山したとされています。これらの言い伝えから一般的には神の使いで案内神、勝利に導く軍神とされています。
 八咫烏神社はこの八咫烏を祀った神社で創建は700年頃と伝えられています。

地図で場所を確認する奈良県宇陀市榛原高塚4-2


効果・御利益

 八咫烏神社の効果・御利益はズバリ「勝利」。スポーツ、恋愛などを勝利に導いてくれる案内神です。


石上神社


奈良県のパワースポット 石上神宮  石上神社は古代豪族である物部氏の総氏神で「剣」をご神体とする神社です。国宝に指定されている宝剣七支刀をはじめ剣に縁のある神社で、剣の霊威をもって危機的状況から勝利へ導く「起死回生」の御利益がるとされています。この石上神社の詳細については別途「パワースポット石上神社の御利益」のページをご参照ください。


効果・御利益

 石上神社の効果・御利益は「起死回生」。絶望的な状況から復活させてくれます。また健康長寿・病気平癒・除災招福・百事成就などの御利益もあるとされています。



春日大社


 奈良県でもっとも有名な観光名所でかつパワースポットでもある春日大社。日本でもっとも繁栄し多くの氏族を輩出した名家藤原氏の氏神であることから子孫繁栄や出世の御利益があるとされ、縁結びで有名な出雲大社の主祭神である大国主命も祀られています。
 この春日大社の詳細については別途「春日大社の御利益・神様」のページをご参照ください。


効果・御利益

 子孫繁栄・出世・恋愛・縁結びなどの他に、境内には金運がアップする金龍神社や一願成就の神様である一言主神社などが鎮座しています。


奈良県のパワースポットについて


 奈良県におけるパワースポットは、お隣の京都のパワースポットが平安時代以降の建造物や人物に由来したものが多いのに対して、神話の時代から大和時代にかけて信仰の場だった場所が多いのが特徴となっています。これらの信仰は古代豪族達が石や山といった自然のものを対象とし信仰した原始的ものだったと推測されていますが、やがて一部のものは神道へと成熟し神社となり、現在は一般の方からも信仰を集める信仰の場となっています。

 自然崇拝から神道へ進化した日本の信仰は、やがて大陸から伝来した仏教と融合し、信仰の対象に仏教施設も加わるようになります。また由来する人物も神話に登場する神様、実在が確認されてない人物や古代豪族達から実在が確認されている天皇家、貴族、武士達へと変遷していきます。奈良県におけるパワースポットは「自然崇拝から神道へ進む過程」のものが中心となっており、日本における精神文化の変遷を垣間見ることができる歴史の回廊でもあるのです。