住吉大社のご利益とパワースポット



 近年のパワースポットブームで大阪の住吉大社もパワースポットとして紹介される事が多くなったそうです。住吉大社がパワースポットとして紹介される理由のひとつとしては五所御前の五大力があると思いますが、他にも鎮座から1800年もの歴史をもつ境内の光景や逸話が人々の心を揺さぶるのかもしれません。本ページではこれら住吉大社がパワースポットたる所以とその効果・ご利益についてご説明していきます。

 なお住吉大社のパワースポットとしての属性は「火」とされています。また属性の調べ方や考え方については別途「パワースポットの属性」のページを参照。


住吉大社のご利益


 住吉神社の祭神である住吉三神は海神・航海の神様で、他にも和歌や人々の罪や穢れを取り除く禊祓を司る神様。このように様々な側面をもつ神様ですからご利益も産業、文化、貿易と多岐にわたりますが、一般的に言われているのが海上運行と家内安全のご利益です。


祭神

住吉三神
 伊奘諾(イザナギ)尊が、亡くなった妻である伊邪那美(イザナミ)命に会いに黄泉の国に行った際の帰り、黄泉の国で受けた穢れを清めるため筑紫の日向の橘の小戸の檍原で禊をして、水底で身をすすいだときに出現したのが底筒男命。このとき水中では中筒男命が、水上では表筒男命が現れ、これらの三神の事を住吉三神といっており、住吉大社のご利益のひとつである「穢れを取り除く」はこの住吉三神が出現したときの言い伝えに基づいています。また住吉三神は航海の神様で古くから港町として栄えた所によく祭られており、有名なところでは博多や下関の住吉神社があります。

神功皇后(息長足姫命(おきながたらしひめのみこと))
 後に源氏の氏神である八幡神と同一人物とされる応神天皇の母で聖母とも呼ばれています。胎内に応神天皇を宿しながらも住吉大社のご神託により新羅(朝鮮)征伐に赴き遠征の最中は腹を冷やし出産を遅らすために石をさらしで腹に巻いたといわれる女傑です。この際住吉三神は神功皇后の航海の安全を守り征伐は新羅が戦わずして降伏、他の高句麗、百済も貢ぎ物を納めることを約束し成功します(三韓征伐)。その後神功皇后は摂津の国に住吉三神を祀り、これが住吉大社のはじまりとなるのです。
 なお神功皇后の実在の有無については諸説ありますが、一般的には第10代天皇である崇神天皇より前は現在まで実在が確認できない神話の世界の人物で、それ以降は実在した人物(神功皇后は14代天皇 仲哀天皇の妻)とされており、三韓征伐についても朝鮮や中国にもそれらしき記述があるうえに、古代朝鮮では南部の「任那」が日本の勢力下にあったことから、実在説が有力とされています。



初辰まいり

 初辰まいりは「はったつさん」として昔から親しまれてきた参拝方法で毎月最初の辰の日に、末社である種貸社、楠くん社、浅沢社、大歳社の四社をそれぞれお参りする慣わしで48回(48ヶ月=4年)参拝すれば満願成就となります。なおそれぞれの社のご利益は以下の通り。

種貸社 資金調達・子宝安産
楠くん社 商売発達・家内安全
浅沢社 芸能美容・女性守護
大歳社 集金満足・心願成就 


五大力

 
 住吉神社には五大力というパワーストーンが混ざった玉石が敷き詰められた五所御前と呼ばれる場所があり、自分で五・大・力文字の書いてある石を集めて願いごとをして、肌身離さず持っていれば叶うと言われています。 なお石は無料で拾うことができ、 石を入れる専用の袋は社務所で売っています。


住吉大社 五大力 五大力と書かれた石。五大力とはすなわち体力・智力・福力・財力・寿力5つの力。無数の玉石のなかから「五」「大」「力」の石を集め石守とすることで心願成就のご利益があるといわれています。この五大力は元々神宮寺の五大力尊信仰からきているもので、五大力尊とは仏教の五人の明王のことを意味します。

不動明王(中心)
大威徳明王(西)
軍荼利明王(南)
降三世明王(東)
金剛夜叉明王(北)

五大力の石 五大力の石が混ざっている五所御前の玉石。五大力が書かれた石は数が少ないように見えますが見つけるのは意外と簡単です。なお五大力の石を拾うのは無料。また五大力の石は見事願い事が叶った人が御礼の為に自分で拾った小石に五・大・力と書き、石守とともに返納したもの。


五所御前

住吉大社 五所御前 五所御前に架けられたお守り袋。なかには五大力の石が入っていると思われます。五所御前は境内の一番奥にあり、その昔神功皇后が住吉大神を祀る地を決めるとき、現在も姿を残す杉の木に鷺が三羽とまったのを見て、大神を祀ることに決めたと伝えられている場所で住吉大神降臨の地といわれています。

社殿

住吉大社 住吉大社正面の光景。住吉大神は黄泉の禊祓(みそぎはらい)の行為で出現した為「お祓い」を司る神とされています。また、海上安全の守護神、和歌の神さまでもあり、当時は境内すぐそばまで海岸線がきていました。

社務所

住吉大社の社務所 住吉大社の社務所。お守りやお札の他五所御前で見つけた五大力の石を入れる袋なども販売してます。そういう意味ではパワースポット住吉大社の要となるところ。

招福猫

 住吉大社の招福猫は初辰まいりの社のひとつである「楠くん社」で授与されています。毎月の初辰まいりで48体集めると、満願成就の証として新たに大きな招福猫と交換してもらい、今後のご繁栄を祈願してもらえます。
住吉大社の招福猫


おもかる石

住吉大社 おもかる石 おもかる石は住吉大社から南東へ200mほどの所にある(住吉大社南側の出口には案内が立てられています)初辰まいりの社のひとつ大歳神社にある霊石で、その昔空から降ってきた(隕石)という言い伝えが残されています。この神社に参拝し願い事を言った後、霊石を持ち上げたとき軽く感じれば「願い事が叶い」、重く感じれば「否」であると伝えられています。 なおこの「おもかる石」、京都の伏見稲荷大社などでも同様のご利益がある石が祀られています。