東京スカイツリーの高さ
筆者が東京スカイツリーを初めて見たのが2010年の初頭。まだスカイツリーは建設途中で、現在の第1展望台と思われる辺りに3本ほどのクレーンが搭載され建設作業が行われていました。
この時点で高さ的には
東京タワーよりも高いように感じられ驚いたものですが、まだ完成時の半分程度の高さだと知らされさらに驚いた記憶があります。
現在の東京スカイツリーの高さは634m。竣工時点で人工の建造物としては
ブルジュ・ハリーファの828メートルに次ぐ世界第2位、自立式の電波塔としては世界一の高さとなっています。
この634mという高さ。地盤が弱い海沿いの関東平野で、台風や地震といった自然災害のリスクもあるなか驚異的な数字であり、日本の土木・建築技術の粋を結集させたものとなっています。一般の人にも分かりやすい工夫のひとつとしては、東京スカイツリーの下の方の断面は△となっているのに対して上に行くにしたがい円形に変化し地上高320m付近で完全な○の断面となっていることなどが挙げられます。東京スカイツリーを見学される際には前述のような豆知識も頭にいれて行くとより面白く充実したものとなるのではないでしょうか?本ページではこのような予備知識としてスカイツリーの高さや他の建造物との比較、高さが634mとなった理由や由来についてご説明していきます。
東京スカイツリの展望台
東京スカイツリーには地上高350mと450mの所にそれぞれ展望台が設けられており、窓ガラスに傾斜を付けることにより夜間時の内部照明が映り込まないように工夫が施されています。
天望デッキ
最上部が地上高350mの所にある一つ目の展望台です。正式名称は「東京スカイツリー天望デッキ」といい、東京タワーでもっとも高い天望台である「特別展望台(250m)」よりも高い位置にあり、晴天時には70〜75km先まで見渡すことができます(具体的にはスカイツリーから埼玉県秩父市や神奈川県小田原市あたりまで)。
展望台はすり鉢状になっており三層のフロアに分かれレストランやお土産店などの他、展望台ではもはやおなじみの下を覗くことができるガラス張りの床なども設けられています。
天望回廊
上述の展望デッキからさらに100m上空にある展望台です。高低差5m、長さ110mの回廊がカタツムリの殻のようにスカイツリーを囲うような形で設けられており、その光景から「天望回廊」とネーミングされました。東京タワーや高層ビル群がが斜め下に見える高さ450mからの光景はまさに未知の光景です。
東京スカイツリーを比較してみたら?
東京スカイツリーが桁違いに高い建造物であることは皆さん理解されていると思いますが、ではどれくら凄いのでしょうか?こういう場合は他の高層建造物と比べてみるのが一番ですので以下に図で示してみました。
こうして見るとスカイツリーの天望デッキは東京タワーの天頂より高い所に位置するわけで、スカイツリーから眺めると東京タワーが眼下に見えるのもうなずけます。
東京スカイツリーの高さの理由・由来
東京スカイツリー本来の役目は送電(電波を送る意味)を目的として電波塔です。この役目を支障なく果たすためには、都心部にある200m級の高層ビル群の影響を受けない高さが必要となります。そうしてはじき出された数字が610mです。
そしてどうせ世界トップクラスの電波塔を建設するなら世界一を目指そうと、当時計画されていた他の高層建造物の高さを考慮しさらに20mほど高さがプラスされます。最後は日本の律令国で現在の関東一円の呼び名であった「武蔵(むさし・634)」に語呂合わせし634mとう高さになりました。
つまり東京スカイツリーの高さの理由は電波塔として機能を果たし世界一を目指すため。由来は旧地名の武蔵にちなんだものというわけです。