天台寺の社
天台寺は
比叡山を総本山とする天台宗のお寺ですが、その境内には本堂を取り囲むように多くのお堂が配せられています。これらは
神仏習合思想(神道と仏教が折衷して融合調和する考え方)により天台寺に勧進された鎮守社と推測されますが、奈良時代から続く古刹だけあり、小さいながらもたくさんの神様や仏様が祭られています。おそらく長い年月を経て日本各地から勧請されたものと思いますが、とにかく数が多いので全て参拝しようと思っている方は小銭をたくさん用意しておいた方がよいでしょう。
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恵比寿大黒堂
天台寺の大黒恵比寿堂。手前にある小さめの祠が大黒恵比寿堂。毘沙門堂に続く道の脇に立てられている。長年の風雪で看板の文字は消えかけていました。
大黒恵比寿堂とは大黒天(だいこくてん)を祀ったお堂。
大黒天
@密教で、仏・法・僧の三宝を守り、戦闘をつかさどる神。後に飲食をつかさどる神として寺院の厨房ちゅうぼうに祭られた。ふつう忿怒ふんぬの相につくる。
A七福神の一つ。頭巾ずきんをかぶって大袋を背負い、右手に打ち出の小こづちを持って米俵の上に座る像につくる。大国主命おおくにぬしのみことと同一視され、福徳の神として信仰を集めた。一般的には「恵比寿様」の呼び名で親しまれている。
毘沙門堂
天台寺の毘沙門堂。境内の一番奥に建てられており、天台寺本堂の次に大きいお堂。参道は毘沙門堂から左右に別れており右に進むと
月山神社にたどり着きます。
毘沙門堂とは毘沙門天を祀ったお堂
毘沙門天
仏教における天部の仏神。持国天、増長天、広目天と共に四天王の一尊に数えられる武神。日本では邪鬼と呼ばれる鬼形の者の上に乗り、甲冑に身を固めて右手は宝棒、左手は宝塔を捧げ持つ姿で描かれ事が多い。
また日本独自の信仰で七福神の一人にも数えられている。なお中央アジア、中国など日本以外の広い地域でも、独尊として信仰の対象となっています。
倶利伽羅堂
倶利伽羅堂は倶利伽羅不動明王を祀ったお堂
倶利伽羅不動明王
不動明王の化身としての竜王。岩上に立てた剣に火炎に包まれた黒竜が巻きつき、まさにその切っ先をのもうとする形像で表されています。
熊野堂
荒神堂
天台寺の荒神堂。荒神堂は本堂裏手の小道に鎮座し、夏は紫陽花の花に覆われます。
荒神堂は三宝荒神を祀ったお堂
三宝荒神(こうじん)
仏法の守護神で仏・法・僧の三宝を守るという神。
三面六臂ろっぴで、怒りの形相を表す。不浄を忌み、火を好むということから、民間ではかまどの神として祀られています。
鐘楼
天台寺の鐘楼。釈迦堂跡に建てられていました。痛みが激しい天台寺の建物の中で、つりがねそのものは比較的新しいもののように見えた。なおこの奥にトイレがありますが、水洗で清潔感あふれるトイレでした。