出雲大社 参拝方法



 通常神社における参拝方法(正確には「拝礼方法」)は二拝二拍手一拝が一般的ですが、出雲大社では二拝四拍手一拝となります。この「四拍手」は出雲大社独特のものですが意外と知られていないのか実際に出雲大社へお参りすると現地には案内看板まであるのに「二拍手」で参拝(拝礼)している人を多く見かけます。
 せっかくのご利益スポットも参拝方法を間違えれば効果も半減です。そこで本ページでは他の神社とは異なる出雲大社の参拝方法と参拝に関する基本的な事を紹介してみます。

祓社(はらいのやしろ)


出雲大社 祓社 祓社は出雲大社の正門鳥居をくぐってすぐ右手にある小さなお社で、心身を祓い清めるとされる祓戸の神様が4柱祀られています。出雲大社参拝の際にはまずこの祓社にて身や心に染みついた不浄(穢れ)を祓い落とす重要な社です。祓社に向かって右手奥には「浄の池」が、参道を進んだ先には「祓橋」があり、辺り一帯は静かな雰囲気の漂う浄化スポットとなっています。また出雲大社には合計4つの鳥居がありますが(境内にあるのは3つ)、鳥居をくぐるときは神様を敬う気持ちを表すために軽く一礼するようにしましょう。このほか参道は松並木によって三分割されていますが基本的に参道の真ん中は神様が通る所なので出雲大社では両脇の参道を歩くようにしましょう。真ん中の参道には「松の根保護の為参道左右をお進み下さい」と看板が柵と共に立てられています。


手水舎


 手水舎は寺社へお参りする前に身を清める為もの。言い換えれば俗世の穢れを落とすもので出雲大社では「祓社」にも通じるものです。手水舎では清浄な水で物理的に清めますから、これより奥に行く場合は忘れずに必ず手水舎で身を清めてから先に進みましょう。なお最近の手水舎では絵で手順を説明したりしており手順は皆さんもよくご存じのことと思いますので本ページでは簡潔に説明しますが、「柄杓に直接口をつける」行為だけは絶対にしないようにして下さい。寺社では禁忌とされています。では手水舎での清めの手順を以下に示します。

@備えられている柄杓を右手に持ち、左手を清めます

A柄杓を左手に持ち替え右手を清めます。

B両手を清め終わったら今度は右手に柄杓を持ち左手に水を受け口をすすぎます。

C再度左手を清めた後、柄杓も洗い清め元の位置に戻します。

 上記一連の行為は一杯の水で行うのが基本(汲み足しもしないように!)とされていますが、一杯の水で両手と口、柄杓の柄を洗うのは意外と難しく、最初から気をつけて行わないと困難なので気をつけましょう。



拝礼


 上述してますが出雲大社では拝礼の方法が一般的な他の神社とは異なりますので注意が必要です。
 出雲大社における拝礼は二拝、四拍手、一拝です(「拝」は頭を下げてお辞儀をすること、「拍手」は両手を打ち合わせることをいいます)。

 出雲大社拝礼手順

@神前に立ち心を落ち着かせてからお賽銭を入れます。お賽銭は投げ入れずに丁寧に入れましょう。

A腰を90度曲げて「拝」を二回行います。

B手のひらをあわせて右手を少し下にずらして「拍手」を四回します。この手をずらす行為は節合わせ→ふしあわせ →不幸せにかけて不幸せを避ける意味が込められています。

C最後にお願い事を祈りながら「拝」を一回行い神前を離れます。

※願い事は自分の住所と名前をまず先に伝えてから言うようにしましょう。またお賽銭の額は「よいご縁」にかけて415円もしくは45円が人気なのだそうです(注:お賽銭額はあくまで一般的に言われている験かつぎのようなもので、出雲大社が公式に発表しているものではありません)。


参拝は二ヶ所で


出雲大社 拝殿 出雲大社では不思議なことに参拝者が拝礼をする本殿正面は南向きになっているのに殿内の御神座は西向きになっています。つまり神様の正面ではなく左側から拝礼をしているわけです。この理由は諸説ありますが本当のところは謎のままです。ただ出雲大社ではちゃんと正面からも参拝できるように本殿の西側に拝所が設けられていますので、本殿正面で参拝した後は西側の拝所に行きそこでもちゃんと参拝するようにしましょう。

なせ出雲大社は四拍手なの?


 その昔古代日本では高貴な人の前に出るときは手を打って(つまり拍手して)敬意を表したのですが、この風習が現代まで残り、日本を代表する古社である出雲大社では通常より多く拍手ようになったといわれています。なお拍手が多い神社は出雲大社だけではなく、古くからの由緒ある神社では拍手の数が多い社があります。また二拍手は明治時代に作法が統一された課程で決められたもので、時代をさかのぼれば各神社毎に様々な参拝方法がありました。


NG行為 マナー違反


 強力なパワースポットといわれる出雲大社。せっかく訪れたのですからマナー違反やNG行為などはせず、その正しい参拝方法でのぞみたいものです。本項では一般の方が知らず知らずのうちに犯してしまうNG行為をご紹介します。

@お賽銭は投げ入れない
 お賽銭とは神様へのお供え物と同じ意味、行為ですので投げ入れるなんてもってのほか。日本全国の神社仏閣には位置的に投げ入れなければお賽銭が届かないようなところも多数ありますが、出雲大社では投げ入れなくてもちゃんとお賽銭箱に入るようになっています。お賽銭は静かにいれましょう。 

Aしめ縄に賽銭を投げ入れない
出雲大社のしめ縄 しめ縄とは神域と俗世とを隔てる結界のような役目をもつものです。出雲大社の神楽殿にあるしめ縄は日本最大級で、一部の有名なガイドブックやHPにはこのしめ縄の先に賽銭を投げ入れ上手く差し込むことができればご利益を授かると記されているそうで実際しめ縄には多くの硬貨が刺さってます。しかししめ縄に賽銭を投げ入れる行為は言うならば神聖なる結界にお金とはいえ物を投げつけているわけですから縁起の良いことではなくマナー違反のNG行為です



B穢れた状態で参拝しない
 仮にもご神前の前に行くのですから酒臭い息をさせたり派手な格好をしたりすることはやめましょう。少なくとも参拝前日はちゃんとお風呂に入り体をきれいにし、食事も脂っこい物や匂いのキツイものはなるべく控え、深酒もやめましょう。また服装は白いものがよいとされていますが、ハンカチのようになにか白い物を身につけるだけでもOKです。

C参拝は正門鳥居から
出雲大社 正門鳥居 車で訪れたことがある方はすぐにピンときたと思いますが、出雲大社の駐車場は三の鳥居と四の鳥居の西側にあります。この為、どうしても駐車場から近道して四の鳥居に行きそのまま参拝してしまう方が多いのですが、正式な参拝ルートは正門である二の鳥居からです。横着はしないようにしましょう。なお一の鳥居は正門から500mほど南にある県道161号線宇迦橋のたもとに建てられており、こちらは日本一の大きさといわれています。厳密にいうとこの一の鳥居からスタートするのが正しい参拝ルートですので時間に余裕がある方は一の鳥居から参拝をスタートしてみてはいかがでしょうか。ちなみに車で来る場合は大そのほとんどの人がこの大鳥居を通ることとなります。