厳美渓の見所・歩き方
厳美渓(げんびけい)は、
岩手県一関市磐井川中流にある全長2kmほどの渓谷で、その昔仙台藩主・
伊達政宗公が、「
松島と厳美がわが領地の二大景勝地なり」と自慢して、度々この地を訪れたと伝えられています。
厳美渓への道中は「本当にこんな所に渓谷があるの?」と戸惑ってしまうほど開けた住宅街を通ることになります。それでも看板を目印に進むと多くの人で賑わう橋に出ます。その橋が「
天工橋」で、橋のすぐ下流が
厳美渓の休憩所になっています。見どころは渓谷の景勝美と天工橋周辺の渓谷美と休憩所で見ることができる「
空飛ぶ団子」で、休憩所では注文を受けると対岸からロープで団子とお茶が運ばれますが、これが有名な郭公だんご(空飛ぶだんご)です。
また渓流沿いは散策できるようになっており、「天工橋から下流の
御覧場橋までの間を一周する。」これが厳美渓の王道コースだと思いますが、個人的に光景は天工橋から下流側の方が美しく感じました。なお
川下りで有名な猊鼻渓と厳美渓はよく間違えられる事がありますが、川下りができるのは猊鼻渓のほうです。
地図で場所を確認する→
岩手県一関市厳美町字滝の上地内
目 次
観光に要する時間
厳美渓の光景
道の駅 厳美渓
厳美渓温泉
おすすめのお土産
一関の美味い物
厳美渓周辺の祭り・イベント
厳美渓の観光ベストシーズン
観光に要する時間は約1時間程ですが、周辺の観光施設も見学するなら十分な時間がほしいところ。また有名な観光地である
平泉町の
中尊寺・
毛越寺・
達谷窟等が車ですぐの所にあり、あわせて観光すると便利。
※厳美渓を組み込んだ
岩手県の観光モデルコースは別途「
いわて花巻空港」及び「
一ノ関駅」「
北上駅」「
盛岡駅」の各ページを参照。
厳美渓(げんびけい)はその昔伊達政宗公も賞賛したと伝えられる渓谷です。秋は紅葉が渓谷美を際立たせ、春は伊達政宗公が植えたとされる
貞山桜が訪れる観光客達を楽しませてくれます。また近隣には世界遺産に登録された古都・平泉があり、中尊寺・毛越寺・達谷窟等への観光コース上にあることから年間に訪れる観光客は90万人〜70万人程と言われる一関市を代表する観光地となっています。
天工橋は一ノ関駅や平泉方面から厳美渓を訪れた際に必ずといってよいほど渡ることになるいわばメインストリートともいえる橋です。橋を渡った先(右岸側)にはレストハウスや休憩所があるほか、橋から眺める厳美渓の光景も見事です。
長者滝
厳美渓の長者滝の光景。天工橋の休憩所から上流に歩いて10分程度でたどり着きます。川には鉄筋の代わりに竹を使用しているという長者滝橋が架かっており、この辺りまでくると断崖の高さも低くなっています。
磐井川
伊達政宗公や幸田露伴等の有名人達が感銘したという厳美渓の眺め。厳美渓に突き出た岩場にある休憩所からの光景ですが、おそらくこの場所が一番美しく見ることができる場所だと思います。
厳美渓の下流方面の光景。周囲の木々は色づき始めているが
紅葉には少々早かったよです。また
厳美渓の岸には桜も植えられており、花見を楽しむ事もできます。
厳美渓の御覧場橋。厳美渓の下流側に架かっている吊り橋で天工橋から歩いて5分程度の所にあります。川の両サイドには散策道が整備されており、新緑や紅葉を楽しむ事ができます。
厳美渓の休憩所秋の光景。周囲の木々は紅葉しています。この休憩場は天工橋のたもとにあり、レストハウスからも歩いてすぐの所です。厳美渓一番のビュースポットであり、名物「
郭公団子」を厳美渓を挟んで反対側の団子屋から受け取る所でもあります。
だんごが運ばれる休憩所から見た厳美渓。厳美渓は天工橋から見る上流側の光景が美しいとされていますが、下流側でも澄んだ磐井川の景勝美や春の桜、秋の紅葉等が楽しめます。
道の駅「厳美渓」は一関市の国道342号線沿いにある道の駅です。景勝地として有名な厳美渓の玄関口にあるうえに、
観光都市平泉を含めた周辺地域に他の道の駅が無いので(2017年に道の駅 平泉がオープンしました)、一関、平泉方面の特産品が集まる道の駅として多くの方が訪れる人気の道の駅となっています。なおこの道の駅の名物はレストランで提供している「もち料理」で黒ゴマ、ずんだ、クルミなど数多くの種類があります。もちそのものも柔らかく、近年テレビで紹介されてから知名度が一気にアップしました。
営業時間 9:00〜18:00(11〜3月は17:00まで)
定休日 毎月第3水曜日
地図で所在地を確認する→
岩手県一関市厳美町字沖野々220-1
連絡先 0191-29-2000
道の駅の駐車場
道の駅厳美渓の駐車場。駐車台数は170台以上(乗用車)もあるのですが休日はすぐ満杯になってしまいます。もし厳美渓に行くのであれば
市営の駐車場を利用した方が無難です。
厳美渓には川のすぐ畔に温泉ホテルがあり、これらの温泉では厳美渓の景勝美を眺めながら日帰り入浴が楽しめるようになっています。
日帰り入浴
いつくし園
入浴時間 11時〜15時
日帰り入浴料 大人700円 子供500円
泉質 炭酸水素塩泉
公式HP→
https://www.itsukushien.co.jp/
渓泉閣 休館中
入浴時間 10時30分〜15時
日帰り入浴料 600円
泉質 ナトリウム−塩化物温泉
公式HP→
http://www5f.biglobe.ne.jp/~ksenkaku/
温泉神社
厳美渓の左岸側、道路挟んで反対側には温泉神社が鎮座しています。この温泉神社は栗駒山系の温泉を司る神社で、栗駒山の山頂に鎮座している社を皆が参拝できるように当該地に里宮として設けたものです。
古くからお米の文化が根付いている一関ではお土産もお米から作る団子や煎餅といったものが主流となっています。長年培われてきた技法と厳選した材料でこしらえた団子や煎餅は他の地域で食べるものとはひと味違った味わいです。代表的なお土産として「ずんだ餅」がありますが、他にも
松栄堂の「たむらの梅」や
亀の子せんべい本舗の亀の子せんべいなどは有名でお土産品として喜ばれています。なおこれらの商品は各店舗の他、周辺の道の駅で購入することができます。
郭公団子
一関市の厳美渓で販売されている団子。渓谷を挟んで反対側の茶屋に注文するとロープでお客に届けられる。
平泉の蕎麦
平泉周辺では鎌倉時代から食されていたといわれており、町内にはそば屋が多く、種類も椀子そばから田舎蕎麦まで多種多様。
モチ
一関市はずんだ餅をはじめとした餅の食文化が色濃い地域。特に毛越寺境内の茶屋の餅御前は有名。
春の藤原祭り
平泉町で5月1日から5日まで行われる春祭り。中尊寺や毛越寺を中心に町中で郷土芸能やイベントがみられる。
秋の藤原祭り
平泉町で11月1日から3日まで行われる秋祭り。同時期に開催される菊祭りとあわせて郷土芸能や舞い、能や狂言が披露される。
厳美渓の観光ベストシーズンは桜が咲く4月下旬から紅葉の11月中旬の間。特に
桜と
紅葉の時期はお勧めで、近隣の平泉町にも桜や紅葉の名所が多いのであわせて観光すると便利。また雪化粧した厳美渓も美しく、平泉町の冬の祭事にあわせて訪れる観光客も多く見られます。
平泉町 中尊寺 毛越寺 厳美渓 龍泉洞 浄土ヶ浜 北山崎 鵜の巣断崖 不動の滝 二戸市 葛巻町 達谷窟 遠野市 八幡平 天台寺 御所野遺跡 猊鼻渓 安家洞 三陸海岸 久慈市 えさし藤原の郷