岩手県 旅行記「橋野高炉跡」

 橋野高炉跡は岩手県釜石市にある江戸時代後期から明治時代にかけて稼働した製鉄所跡です。アジア諸国が次々と西欧列強に植民地化されていくなか、日本政府は早急に産業の近代化進め富国強兵に務める必要性に迫られていました。 特に鉄は産業の屋台骨であり、日本初の西洋式高炉である橋野高炉跡は製鉄産業の近代化を象徴する史跡として2015年7月5日「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼,造船,石炭産業」の構成資産のひとつとして世界遺産に登録されました。

アクセス
 橋野高炉跡は釜石市と遠野市を結ぶ県道35号線沿いにあります。アクセス手段は車がメインとなりますが、道路は釜石〜橋野高炉跡間は比較的良好ですが、遠野市〜橋野高炉跡間は車両のすれ違いが困難な区間もあるので注意が必要です。

各駅からの所要時間
 JR釜石駅から車で約50分。JR遠野駅から車で約35分。

所在地 岩手県釜石市橋野町第2地割15

世界遺産 橋野高炉跡

世界遺産 橋野高炉跡 世界遺産に登録された橋野高炉跡と見学者達の光景。橋野高炉跡は国の史跡に指定されていはいたが、さほど有名ではなく、世界遺産に登録される以前はキャンプ場がある地元の方がピクニックやキャンプを楽しむ憩いの場でしたが、現在は世界遺産に登録された史跡として整備され見学者の受け入れ態勢も整えられています。

高炉跡

三番高炉跡  橋野高炉跡の三番高炉跡。当時の高炉は約1〜2ヶ月運転した後、修繕し運転を開始するまで30日の期間を要した為、高炉を三座設け交互に運転していました。写真の三番高炉は3つあった高炉の中でも最後まで操業していた炉(一、二番高炉は1871年操業停止、三番高炉は1894年まで操業を続ける)。
三番高炉 フイゴ座跡 三番高炉を別角度から見た光景。正面には「フイゴ座跡」と記された案内板が立っている。なおフイゴ座とは高炉内の温度を上げる為に空気を送り込む装置でピストンの要領で上下どちらでも空気を送れるように工夫されていました。なお当時のフイゴは木造で現在はその姿を見ることはできません。


インフォメーションセンター

橋野高炉跡 インフォメーションセンター 橋野高炉跡インフォメーションセンター。大規模な駐車場が整備されている。位置的に史跡の入り口部分にあり、多くの方はここから史跡の見学に出発することになります。

橋野高炉跡 インフォメーションセンター 橋野高炉跡インフォメーションセンター館内の光景。館内にはトイレや休憩施設の他に、世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」の構成資産をパネルや資料、動画で説明しています。

開館期間

毎年4月1日から12月8日まで(冬期間休館)

利用可能時間

午前9時30分から午後4時30分 まで

入場料  無料


橋野高炉跡 案内図

橋野高炉跡 案内図 橋野高炉跡の案内図。図は江戸時代後期のもので、茶色の部分が製鉄所として整備されていた所で、現在見学できる部分と重なっています。またインフォメーションセンター(駐車場)は地図中の左下部分に建てられています。