三陸海岸の見所
三陸海岸とは南から順に陸前、陸中、陸奥と区分された「陸」の文字がつく三つの地域の総称で、地形的には隆起した海岸が続き雄大な光景を見せてくれる北部と沈降海岸が続き入りくんだ入り江や島々が点在する南部に分けられます。以前はいくつかの国立公園に分け指定されていましたが、現在は東日本大震災を機に策定された「三陸復興国立公園」に一括して指定されました。また2013年には「三陸ジオパーク」として日本ジオパークにも認定されています。見どころは多数あり個々のページで詳細を紹介しますが、最大200mもある断崖が続き迫力ある光景が続く北部と瀬戸内のようなのどかな光景が広がる南部と特徴は大きく2つに分かれます。この2つの光景の分岐点となるのが宮古市で道路、鉄道などの交通の要衝ともなっていますので三陸海岸を旅行する際には宮古市を中心にプランを練るとよいでしょう。なお三陸海岸を北の
八戸市から南の
気仙沼周辺までくまなく旅する場合には総延長270km丸2日を要します。三陸の旅は海岸沿いの一本道ですので、電車による旅も魅力あり楽しいのですが、現在は東日本大震災の影響で一部不通になっている所もあるので注意が必要です。
※本サイトに記載されている内容については変更されている場合もありますので、ご利用の際は必ず現地の表記をご確認ください。
目 次
三陸海岸の場所・アクセス
観光に要する時間
主な観光名所
西行屋敷跡
黒崎展望台
釜石大観音
碁石海岸
観光ベストシーズン
三陸海岸のグルメ
三陸海岸の宿泊施設

三陸海岸とは一般的には北は青森県八戸市から南は宮城県松島付近までの約300kmほどの海岸線を指します。地図上で青く塗りつぶされている区間で、この区間の海岸線は複雑に入り組んでいることがすぐに分かると思います
三陸海岸へのアクセス・行き方
三陸海岸は切り立った断崖が海岸線まで迫っており観光名所も海沿いの限られたエリアに集中しています。この限られたエリアに国道45号線や鉄道が南北に走っており、実質一本道ですので海沿いに出てしまえば迷うことはまずありません。
また三陸海岸もしくは周辺にある市町村で空港や新幹線発着駅に近く、宿泊施設も多くあり観光拠点、旅の出発地点に便利なところは北の
八戸市、中央の宮古市、南部の
気仙沼市もしくは
仙台市などがあります。
交通(岩手県宮古市まで)
八戸市から車で約2時間45分。
気仙沼市から車で約2時間30分
盛岡市から車で約2時間10分
いわて花巻空港から車で約2時間30分
三陸海岸は上述してあるとおり、非常に距離の長い区間なので、一概には言えませんが個人的に北から南まですべての主要名所を巡るのであれば最低でも2泊3日は必要だと思います。おおよその目安として1日(8時間)で三陸海岸の半分を旅する計画で計算すれば無理がない旅行を楽しめます。
※
三陸海岸の観光モデルコースは別途「
いわて花巻空港」 「
仙台空港」「
三沢空港」及び「
北上駅」「
宮古駅」「
盛岡駅」の各ページを参照
三陸海岸の主要な観光名所については別途ページを設け詳細をご紹介していますが(上段「メニュー」を参照)、それ以外の観光名所について本ページで簡単にご紹介していきます。
平安時代の歌人西行法師は生涯で
平泉に2度ほど訪れています。1回目は出家してすぐの旅で訪れ、2度目は晩年に
東大寺再建の勧進の為訪れています。西行法師はNHKの大河ドラマにも登場していたので、興味があり少々調べてみたのですが、平泉から先の行程はよく分かりませんでした。ただ1回目に平泉を訪れた際には先祖が共に武家藤原氏であったことから、
奥州藤原氏からは手厚いもてなしを受けたと記録が残っており、その後平泉から
京都に戻るまで4年ほど空白期間があることから、もしも三陸地方を旅したとすればこの4年間の間だと推測されます。また
善知鳥神社(現在の青森市)や「
つぼのいしぶみ」を題材にした西行法師の歌が残されている事から
東北地方に興味を持っていたと思われ、東北各地を旅していたとしてもなんら違和感はありません。ただ冬の寒さが厳しく、当時蝦夷と呼ばれ異境の地であった東北地方を一人で旅するのは相当困難であり、個人的には同族である奥州藤原氏の案内のもと藤原氏の勢力下にあった地方を旅してまわったのではないかと想像しています(あくまでも西行法師を調べた際に感じた個人的な感想です)。
なお西行法師の人物像については別途「
西行戻しの松公園」で紹介しています。
西行屋敷跡の光景

西行法師がその美しさに惹かれ庵をむすんだとされる場所。石碑が建てられていましたが、東日本大震災の地震で多くが倒れました。西行法師もまさかこのような大災害がこの地を襲うとは思いもしなかったと思います。
三陸の光景

西行屋敷跡から見た三陸の光景。これは北側の景色。南側は津波や地震の被害が大きく、見る人によっては不快感を受けるかもしれない光景だったので割愛しました。
黒崎は黒崎園地とも呼ばれ、その見晴らしの良さから江戸時代後期から明治にかけてはお台場と呼ばれる砲台が設置され国防上の軍事拠点となっていた所です。現在は国民宿舎がたち、陸中黒崎灯台を中心にビュースポットや遊歩道キャンプ場が整備されています。
眺めのよい景勝地なのですが、元来国防拠点として整備されてきた経緯もあり、知名度は意外と低く穴場的スポットとなっています。
展望台
三陸海岸のうち陸中海岸と呼ばれる地区にある黒崎展望台。すぐ近くには宿泊施設やキャンプ場もあり、一大リゾート地の様相を呈していますが、よくよく確認すると食事処やお土産店がないのが少々残念なところです。
ネダリ浜

黒崎のネダリ浜。黒崎展望台のすぐ真下にある海岸で、周囲を断崖でかくりされたプライベートビーチのような格好になっています。なおネダリ浜までは遊歩道で降りる事ができますが、往復するのはかなりの体力と時間を要します。
北緯40度のシンボル塔
黒崎にある北緯40度のシンボル塔。北緯40度の線上には秋田県の
男鹿半島の入道崎やアメリカのニューヨーク、北京等があります。一般的に北緯40度は世界で(人類にとって)もっとも重要な緯度といわれています。
黒崎灯台
白い色が印象的な黒崎灯台。白亜の灯台ともよばれ、北緯40度00分00秒の地点に建ち日本の灯台50選にも選ばれています。黒崎地区における一番の観光スポットです。
カリヨンの鐘

北緯40度のシンボル塔近くにあるカリヨンの鐘。カリヨンとはフランス語で幸せの鐘という意味なのだそうです。その形や意味から夫婦やカップルに人気の鐘。
アンモ浦

展望台から見たアンモ浦。中央に生糸のように伸びているのは「アンモ浦の滝」。このアンモ浦は黒崎展望台とは別の所にある「アンモ浦」展望台と呼ばれる展望台から見ることができます。
釜石大観音は1970年に石応禅寺により釜石市の鎌崎半島に建てられた平和を祈念する観音様。観音様の高さは48.5mで展望台からの眺めは三陸海岸随一といっても過言ではありません。
施設内には様々な仏像や神様、仏教の開祖達が祀られ、仏教施設というよりは仏教の展示館、博物館といった印象が強く、仏教に興味がある人には必見のスポットとなっています。
また東日本大震災直後には被災カップルの結婚式場として使われ、震災後の2012年には6組の被災カップルが結婚式で利用したことから2016年にNPO法人地域活性化支援センター(静岡市)が認定する「恋人の聖地」にも選ばれています。
拝観料 大人500円、中高生300円、小学生100円
開館時間 9:00〜17:00
駐車場 麓に無料駐車場、釜石大観音近くに有料駐車場(普通車300円)が整備されています。
地図で所在地を確認する→
釜石市大平町3-9-1
釜石大観音の光景

駐車場から見た釜石大観音。釜石市を見下ろす丘の上に立ち、釜石市のシンボル的存在となっています。なお駐車場から大観音までは途中エスカレーターがあり、足腰の弱い方でも訪れることができるようになってます。
仏舎利塔

釜石大観音の敷地内にある仏舎利塔。まるでどこかの外国にある寺院のように見えます。中には仏舎利(お釈迦様のご遺骨)が安置されており、他にも日本における各仏教の開祖が祀られています。
拝殿からの眺め

釜石大観音の拝殿から見た釜石湾の光景。正面に広がる三陸の海の光景はまさに絶景。なお拝殿に安置されているのは魚藍観音、聖観音、十一面観音。
釜石大観音の胎内
釜石大観音の胎内。入り口にある案内図を引用させてもらいました。胎内には螺旋状の階段が設けられ、途中には七福神が祀られており、胎内を登っていく道中で様々な神様のご加護を得られる作りになっています。
三十三観音

釜石大観音内部にある三十三観音。説明では鎌倉時代の鉈彫り様式に作られ、観音三十三変化身を表したものとありましたが、間近に見るともっとたくさんの観音様が安置されているように感じました。
展望台からの光景

釜石大観音の展望台から見た光景。この景色だけでも御利益がありそうな光景。なお展望台は釜石大観音のちょうど胸のあたりに設けられています。
碁石海岸は大船渡市の南端にある突き出た半島一帯のことをいい。名前の由来は海岸にある碁石のような石。周辺は東日本大震災で大きな被害をうけましたが、碁石海岸周辺の観光施設は高台にある為、被害を免れました。
海岸沿いにあるたくさんの奇岩やアカマツにおおわれた遊歩道が人気のスポットです。
アクセス 三陸縦貫道大船渡碁石海岸I.Cから約10分
穴通磯
穴通磯は碁石海岸にある奇岩で、三つの門をもつ岩。この日は波が強く穴通磯からは「ゴーン、ゴーン」と地響きのような音が鳴り響いていました。
碁石浜

碁石海岸の碁石浜。海岸は名前の由来となった囲碁の石のような小石がビッシリと敷き詰まっています。この地区は東日本大震災では津波の他、地盤沈下の被害をうけましたが、碁石浜は健在でした。
遊歩道

碁石海岸の遊歩道。碁石海岸では遊歩道が網の目のように整備されていて、正直どう散策したらよいのか迷ってしまいます。個人的には駐車場があるレストハウス周辺及び穴通磯周辺が一番見応えがあると思います。ただしこの2箇所は遊歩道で繋がってはいますが距離が長いので車で移動することをお勧めします。
レストハウス

碁石海岸のレストハウス。正面には大きな駐車場が、後ろには遊歩道があり碁石海岸散策の拠点となる所。店内を訪れていた他の旅行者は「三陸を旅するときは必ずここに寄るんだよ」と言っていました。
碁石灯台

碁石海岸にある碁石灯台。碁石灯台は遊歩道を歩いていった先の碁石岬の先端にあり、その容貌から「白亜の灯台」と呼ばれている。
世界の椿館

世界の椿館は碁石海岸レストハウスの正面にある椿館。世界13ヵ国約600種類の椿が栽培展示され販売もされている。なお大船渡市は実が採れるヤブツバキの北限の地で、ヤブツバキは市の花となっています(野生の「ツバキ」の北限は青森県です)。
三陸海岸の観光ベストシーズンはなんといっても夏。真夏でも比較的涼しい気候の三陸海岸は都会から訪れる人にも人気があり、真夏の暑い盛りには多くの観光客で賑わいます。一方冬場は厳しい気候のが災いし北部では観光客の姿はほとんど見られませんが本州でもっとも東側にある海岸の為、元旦は初日の出を拝みに多くの人が訪れます。また宮古市から南の地方は比較的温暖な気候の上、名物の牡蠣が旬を迎えるため冬場でも訪れる観光客は比較的多くみられます。
以上色々説明しましたが、要約すると三陸海岸の観光シーズンは南部は桜の咲く4月から、北部はGW前後から始まり、ピークである真夏の盛りを過ぎるとだんだん訪れる人も少なくなり、季節風が強くなる11月に観光シーズンを終えます。
三陸海岸のウニ

三陸海岸の北部はウニの産地。その三陸産のウニをたっぷりのせた丼や寿司、塩ウニは最高の味。旬は夏。
いくら

三陸海岸の北部は鮭の好漁場でありいくらもたくさん採れる。丼にして食べると美味。旬は秋。
いちご煮

八戸市やその周辺で食べられているウニとアワビの潮汁。ウニが野イチゴの実に見える事からこの名前がついたとされる。
かき

三陸海岸の南部、特に釜石地方はかきの産地で太平洋の海で育ったかきの味は格別。旬は十月から三月の間。
三陸沿岸を中心とした温泉・旅館・ホテル等の宿を予算に合わせて選べます。
平泉町 中尊寺 毛越寺 厳美渓 龍泉洞 浄土ヶ浜 北山崎 鵜の巣断崖 不動の滝 二戸市 葛巻町 達谷窟 遠野市 八幡平 天台寺 御所野遺跡 猊鼻渓 安家洞 三陸海岸 久慈市 えさし藤原の郷