鎌倉大仏の大きさと歴史



鎌倉大仏 初めて鎌倉の大仏様を御覧になった方が最初によく感じる感想は「あれ?思ったより大きくないな」という事だと思います。そして長年の風雪に耐え幾多の災害を間近で見てきた大仏様のその姿はお世辞にも綺麗とはいえません。しかし幾星霜もの歴史を刻んだその御尊体こそが鎌倉大仏の妙であり鎌倉の「顔」とも言われる所以なのです。
 ではこの大仏様。実際のところ大きさはどれくらいでどのような歴史を歩んできたのでしょうか?


鎌倉大仏の高さ・大きさ

 
 鎌倉大仏は像高約11m(台座を含めると13.35m)、顔の長さだけで2.35mもあり全体の重さは121tとなっています。ちなみに境内には大仏様のサイズに合わせたサイズの草鞋が展示されており、この草鞋の長さは1.8mで大仏様の耳の長さとほぼ同じになっています。
 また螺髪と呼ばれる渦状の髪の毛。これは大仏様の特徴のひとつですが、鎌倉の大仏様には656個の螺髪があります。ちなみに奈良の大仏様の螺髪は996個です。

 その昔大仏様を覆っていた大仏殿。大仏殿の大きさはよく分かってはいないのですが、周囲に残っている当時の礎石の大きさから高さ40mを越える建物であったと推測されており大仏様自体の大きさが高さ13mほどなのでかなりゆとりを持たせた豪華な建物だったようです。



高さ・大きさを比べてみました

奈良の大仏様と比べると
 鎌倉の大仏様と奈良の大仏様を比較したサイトは他に多数ありますので本サイトではサクッと簡略しますが、大まかな目安として鎌倉大仏は奈良の大仏様と比べ高さで2/3、重さで半分ほどの大きさとなります。

背の高さ 6階建てビル相当
 一般的な坐像の高さは立像の半分といわれていますので鎌倉大仏様の身長は11m×2で22m。これは6階建てのビルの高さに相当します。

体重 大型バス8台分
 大仏様の体重は昭和の大改修時にジャッキアップし正確な重さが量られ121tという数字がでています。これは大型バス8台分の重さに相当します。
 
歩く速さ 時速79.2km
 これは個人差や力学的な作用も働き単純にはいえないのですが、一般的には身長×0.45が標準的な人の歩幅といわれています。1時間の歩数が8000歩とすると身長22mの大仏様の歩幅は9.9mでこれに8000歩をかけると1時間に79200mという数字になります。つまり大仏様の歩く速さは時速79.2kmとなり一般道を走行する車より速いわけです。


鎌倉大仏の歴史


 鎌倉大仏及び高徳院は建造理由、開山(初代住職)・開基(スポンサー)共にはっきりした史料がなくよく分かっていませんが、鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」には1252年に建立が始まったと記されています。創建当時は木造仏で完成後すぐに地震で倒壊したことから後に青銅製に改められたことは確認がとれています。また当初は奈良の大仏様同様大仏殿に安置されていたのですが、1495年の明応地震及び地震に伴う津波で(南海トラフ巨大地震のひとつでマグニチュードは8.3と推測されています)倒壊・消失し現在のような露座になったといわれています(注:諸説ありますが、地震及び津波といった自然災害が原因による消失であることは間違いようです)。
 また現在においても確認することができますが大仏には8層に分けて鋳造し接合した跡が見え、左の頬には金箔も残っていることからその昔は全身が金箔で覆われていたと推測されています。
 
 なお鎌倉大仏が国宝に指定されたのは1958年(昭和33年)。また境内一帯が「鎌倉大仏殿跡」の名称で国の史跡に指定されたのが2004年(平成16年)です。