水天宮ってどんなところ?
水天宮という名の社は日本全国にあり、それらの総本宮は福岡県の久留米水天宮となっています。つまり全国の水天宮は久留米天満宮の分社というわけで、東京日本橋の水天宮も久留米水天宮の分社です。
東京水天宮の創建は江戸時代の文政元年(1818年)で当時水天宮総本宮がある久留米の大名だった有馬家が崇敬する水天宮を江戸でも参拝できるようにと分霊したのが始まりです
その後何度か遷座されていますが、現在の場所に落ち着いたのは2016年とつい最近のこととなります(社殿建て替えの為、平成28年(2016年)4月7日まで日本橋浜町の明治座そばに仮宮が設けられていました)。また有馬家との縁は現在も続いており、水天宮の宮司は有馬家の当主が務めています。
2016年に新築されたばかりの水天宮は境内とお社が一体構造となっており、境内は狭いながらもコンパクトにまとめられ受付はまるでホテルの受付を思わせるような雰囲気となっています。また緊急災害時の避難所としての役割も担っています。
公式HP→
http://www.suitengu.or.jp/
水天宮は水及び子供に縁の深い神社であり、水には「流し出す」作用があり、このことから安産・病気治癒、水難除けのご利益があるとされ、祀られている祭神(安徳天皇)が子供の守護神であることから安産・子授けのご利益があると信仰されています。
徳に安産・子授けのご利益についてはよく知られており、東京水天宮も全国有数の安産・子授けのご利益スポットとして多くの方の信仰を集め、特に「戌の日」には妊婦さんやその家族がご祈祷のために訪れ、境内が混雑し外にまで人が列をなすような状態となることもあります。
これら水天宮のご利益は祀られている祭神と深く関係がありますのでまず最初に水天宮の祭神についてご説明していきます。
祭神
天御中主神
天地の始まりに現れた宇宙の最高神。神というよりはこの世界、もしくは宇宙そのものとされる場合もあります。全ての神々に先駆けて現れた為、安産祈願、子授けなどの御神徳(ご利益)があるとされています。
安徳天皇
安徳天皇は高倉天皇の第1皇子で平清盛の娘 徳子を母に持つ人物。三歳で即位しますが源氏の台頭により平家一門とともに都落ちし最後は壇ノ浦に入水します。時に八歳のことです。幼くして亡くなった安徳天皇は後に久留米水天宮に祀られ、以来、水の神、子供の守護神として信仰を集めていきます。
高倉平中宮
建礼門院、平徳子といい実在の人物。
平清盛の娘で
高倉天皇に嫁ぎ、上述の安徳天皇を産みます。壇ノ浦では生き残り、後に出家し
大原寂光院で平家一門の菩提を弔う人生をすごします。祇園精舎の鐘の音・・・・の文言で始まる平家物語では最後の幕引き役を務めており、大原を忍びで訪れた
後白河法皇(義理の父であり実父 平清盛と覇を競ったライバル)に自らの人生を語り極楽往生した時点で物語り終了となります。
二位の尼
平時子といい実在の人物。平清盛の妻であり清盛との間に上述の徳子の他 宗盛、知盛、重衡らを生みます。異母妹である平滋子が後白河上皇に嫁ぎ、娘が高倉天皇に嫁ぐなど天皇家と平家が連携する要となりますが、最後は壇ノ浦で孫にあたる安徳天皇を抱いて入水します。
子授け・安産
東京水天宮は子授け・安産のご利益がある神社としてよく知られています。その理由は前述してありますが、祭神が子供の守護神であることにプラスして江戸時代に水天宮の「鈴の緒」を授与し安産祈願したところ楽にお産ができたというエピソードも加わり、以後 子授け・安産のご利益に授かろうと多くの方が参拝に訪れています。
戌とは動物の「犬」を意味し、十二支のひとつです。この十二支は年、月、日、方角、時間とあらゆるものにあてはめられますが、古来より十二支を「日」にあてはめた「戌の日」に安産祈願をするとお産が楽になると言われています。
これは犬は一度に多くの子供を産むにもかかわらずお産が軽いことから安産の神様として信仰されてきたことに由来します。
戌の日は前述してあるとおり十二支のひとつですから12日毎に巡ってきます。つまり戌の日は1ヶ月に2〜3回、一年に30回ほどあるというわけです。戌の日はネットで調べればすぐに分かりますが水天宮の公式HPでもトップページに記載されています。
なお安産祈願については
別途詳しく紹介していますが、妊娠5ヶ月の最初の戌の日を選んでお参りするのが正式な祈願作法です。しかし現代は時間にゆとりのないシビアな時代ですし妊婦さんの体調の具合もあり、妊娠5ヶ月を目処に妊婦さんの体調と相談して決めるのが一般的となっています。
水天宮には、子宝と安産の象徴である犬の神像が祀られており、この子宝犬をなでると安産のご利益があるとされています。
子授け犬は親子の犬の像で、犬の周りには干支の漢字が書かれた半円状の玉が埋め込まれています。この自分の干支が書いてある玉をなでて、子宝・安産・子供の成長を願うとご利益があるとされ、戌の日などには順番待ちの列ができるほどの人気となっています。
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