パワースポット 貴船神社のご利益



貴船神社 縁結び 貴船神社は古来から京洛の水源の守護神として、また祈雨の神として信仰されており、長雨や日照りが続くと雨乞い、雨止めの神事が行われてきました。平安時代は日照りの時は黒い馬、長雨の時は白い馬を献上しており、これが現在における「絵馬」の起源とされています。また水に関係することから全国の料理・調理業や水を取扱う商売の人々からも信仰を集めてきました。そして一番有名なご利益が縁結びで若いカップルに人気がある一方、縁切りの神、呪咀神としても信仰されており丑の刻参りでも有名な神社です。なお貴船神社には本宮・結社(中宮)・奥宮と3つの社殿がありますが(各々約200mほど離れています)、ちゃんと奥宮を含めた3つの社を参拝することによって願いが叶うといわれています。

 なお貴船神社のパワースポットとしての属性は「水」とされています。また属性の調べ方や考え方については別途「パワースポットの属性」のページを参照。


貴船神社にまつわる不思議な話


貴船神社 奥宮 映画陰陽師のヒットにより京都を魔界都市ととらえ点在する魔所を散策するのが一時期ブームとなりましたが、数ある魔所の中でもその最たるものといわれているのが貴船神社です。貴船神社は京洛の水源の守り神として建てられ、古社としては珍しく現在の奥宮は創建当時から場所を変えることなく鎮座していますが、それは奥宮の中には移動できない御神体、つまり霊泉があるからだといわれています。この霊泉は汚すことはおろか見ることもできませんが、遷宮時に大工が誤ってノミを霊泉に落としたところ龍が立ちのぼり大工はほどなく落命したと伝えられています。
 この谷の奥深くにある奥宮周辺で中世の頃より夜な夜な行われてきたのが丑の刻参りです。もともとは貴船明神が貴船山に降臨されたのが「丑の年の丑の月の丑の日の丑の刻」であったことから、丑の刻にお参りすると願いがかなうというものでした。つまり心願成就の参拝法だったわけです。
 ところが中世に公家の娘が浮気夫と相手の女を怨み、生きながら鬼神となり相手を呪い殺そうとして貴船神社に丑の刻詣りし心願成就する「橋姫物語」が紹介されると、丑の刻詣りは心願成就の参拝法から特定の人を呪う参拝方法として定着し、本来は水神で水源の守り神であった貴船社は呪詛神としての側面も持ち合わせていくようになるのです。




縁結びのご利益


貴船神社 和泉式部 平安時代、紫式部と並び称される女流歌人であった「和泉式部」。彼女は恋愛遍歴の多い女性としても知られていますが夫の心変わりに悩んだ際、貴船神社に参詣し夫との復縁を祈願し歌を詠んで捧げたところ社内から男性の声で返し歌があり、それからほどなくして夫婦円満にもどったと言われています。このお話から素敵な人に巡り会いたい、片思いをかなえたいといった恋に悩む乙女が訪れる縁結びのパワースポットと呼ばれるようになったのです。なお現代の世にあって結社には縁結びを願う絵馬がたくさん奉納されていますが、実はその願いの大半は「復縁」を願うものなんだそうです(筆者達は絵馬の願い事までは確認してませんが、お土産店にいた地元の方が教えてくれました)。


縁結びの神様


貴船神社 結社 貴船神社において縁結びのご利益があるとされるのは中宮に相当する「結社」。このお社に鎮座されている神様は石長比売(イワナガビメ)といい、天照大神の孫で天皇の直接の子孫にあたる邇邇芸命(ニニギノミコト)の妻となった此花佐久夜毘売(コノハナサクヤビメ)のお姉さんです。邇邇芸命が天から降り立った時、大山津見神(大いなる山の神様)が妻として自分の娘である石長比売と此花佐久夜毘売の二人を差し出したところ、姉の石長比売は醜いという理由で送り返されてしまいます。石長比売はこの事を深く恥じまた悲しみ、「これからはここにとどまり、訪れた人に良縁を授けましょう」と貴船の地に鎮座されたのです。なお古事記によると石長比売には「岩のような永遠の命」が此花佐久夜毘売には「花のような繁栄」が約束されていたのですが、石長比売を送り返したことにより以後、神の御子(つまりは天皇家)の寿命は花のように儚く短いもの、つまり天皇の寿命は限りあるものになってしまったのです。


大漁祈願


 大漁祈願といえば大抵は海沿いの社を思い浮かべますが、ここ貴船神社は高おか神(たかおかみのかみ)という水を司る神様を祀っていることから京都の山中にありながらも古くから船乗りたちの間で信仰され、現在も船舶関係者が多く参拝ことで知られています。
 また近年は本物のルアーそっくりなお守りも授与しており、釣り人達に大人気となっています。
貴船神社のルアーお守り

名前の由来


 貴船神社はその昔は「氣の生ずる地」という意味を持つ「氣生根(きふね)」と記されていました。また山林守護の神様である「木生根、木生嶺」に由来しているとも言われています。
 一方祀られている神様ですが本宮が「たかおかみのおおかみ」、奥宮が「くらおかみのかみ」でいずれも水の神様。古語で直訳すると「たかおかみのおおかみ」が山の尾根の龍の神様、「くらおかみのかみ」が谷間の龍の神様となります。また中宮に鎮座する神様は上項に記してあるとおり石長比売でこの女神の父は偉大なる山の神様「大山津見神」となります。このように貴船神社は「山」「木」「龍」に由来するものが多く、古くは水の他に「氣」も湧き出る地として知られていたことを窺い知ることができます。