筑波山(つくばさん)
筑波山は関東平野の東部にある山で標高は877mと低いのですが、周囲に他の山々が無い単独峰のため独特の偉容を誇り、人々が生活し始めた頃から信仰の対象になっていたと推測され、奈良時代末期の歌集「万葉集」や「百人一首」にも詠まれている霊峰です。
山は西側の男体山、東側の女体山と2つの峰から成り、「西の富士、東の筑波」と称されてきた筑波山は、都心から2時間前後で行けるうえに、前述のとおり標高が低く山頂まで比較的登りやすく、ロープウェイやケーブルカーも整備されており、誰もが気軽に登山やハイキングを楽しめる茨城県のシンボルともいえる山となっています。
ちなみに筑波山は日本百名山の1つに数えられていますが、標高は百名山中一番低い山となっています。
※本ページに記載されている情報については変更されている場合もありますので、ご利用の際は必ず現地の表記をご確認ください。
公式HP→
つくば市
目 次
筑波山神社
ロープウェイ・ケーブルカー
ロープウェイ
ケーブルカー
セット割引券
登山
御幸ヶ原コース
白雲橋コース
迎場コース
おたつ岩コース 自然研究路
山頂連絡路
パワースポット・癒やしスポット
奇岩・奇景
服装
紅葉
ドライブ
筑波山神社は男体山に通じるケーブルカーの麓駅(宮脇駅)近くに鎮座し、拝殿のすぐ近くには登山道入り口(白雲橋コース)もある筑波山をご神体としている神社です。
祭神は男体山の筑波男大神(伊弉諾尊)と女体山の筑波女大神(伊弉冉尊)の夫婦神で、伊弉諾尊と伊弉冉尊は日本で初めて夫婦となった神様であることから、縁結びや夫婦和合のご利益があるとされています。
なお筑波山中腹(宮脇駅近く)に鎮座する社は拝殿で、本殿は男体山、女体山各々の山頂に鎮座しており、その歴史は3千年前までさかのぼると伝わっています。
登山道やケーブルカーの駅が近くにあることから登山の際には多くの人が立ち寄ることとなる神社で、皆さんも立ち寄った際には登山中の安全祈願、もしくは無事に下山できたことに感謝し参拝してみてはいかがでしょうか。
筑波山には男体山、女体山それぞれ山頂近くまでケーブルカー、ロープウェイが筑波観光鉄道により運営されており、麓から一気に山頂まで行くことができます。麓の駅にはそれぞれ
駐車場が整備されており、バスも運行していますので(両駅間の所要運行時間は約10分)、山頂まで登った後は山の尾根(山頂連絡路)を散策しながら縦走し、登ってきたのとは別のルートで下山しバスで元の場所まで戻ってくることができます(注:ケーブルカーの駅である宮脇駅は最寄りのバス亭「筑波山神社前」から徒歩で15分ほどかかります)。
正式名称は「筑波山ロープウェイ」。つつじヶ丘にある「つつじヶ丘ロープウェイ駅」から女体山山頂までの間、標高差約870mを約6分かけて運行しています。
筑波山ロープウェイは9月中旬〜2月下旬の土日祝日には夜間運行も行っており、暗闇の中を関東平野の夜景を眺めながらロープウェイで進む通称「スターダストクルージング」が楽しめます。
料金 片道580円 往復1050円
運行時間 9時20分〜16時40分 20分間隔で運行
正式名称は「筑波山ケーブルカー」。「ケーブルカー宮脇駅」から男体山山頂までの間、標高差約870mを約8分かけて運行しています。宮脇駅の周辺には観光案内所や筑波山神社、筑波山温泉郷などがあり、登山する際にはこちらの宮脇駅側からスタートする方の方が多いそうです。なお前述のロープウェイは上空から眺める空中を遊覧しているような光景を楽しめますが、ケーブルカーは地面に敷設させたケーブル上を運行するので筑波山の自然を車窓から間近に眺めることができます。
料金 片道580円 往復1050円
運行時間 9時20分〜16時40分 20分間隔で運行
往復セット割引乗車券
ケーブルカーとロープウェイの往復をセットにした乗車券で、ケーブルカーとロープウェイをそれぞれ1往復ずつ利用することができます。
料金 大人 1,500円、小児 750円
連絡片道乗車券
ケーブルカーとロープウェイの片道をセットにした乗車券で、ケーブルカーとロープウェイをそれぞれ片道1回ずつ利用できます。
料金 大人 1,220円、小児 620円
前述してあるとおり筑波山は都心から2時間前後で来れる上に標高も877mと低く初球者でも登りやすい上に、山頂付近までロープウェイやケーブルカーも整備されているとあって、多くの人達が訪れ自分達の技量や体力に合った登山道を選び登山やハイキングを楽しんでいきます。本項では筑波山の代表的な登山コースをご紹介しますが、筑波山の登山道や自然散策路は複数あり、場合によっては片道はロープウェイやケーブルカーを利用する方法もありますので、自分達の趣味や目的に合わせて登山コースを選んでみて下さい。
筑波山神社から男体山の山頂を目指すルートで意外と高低差があるコースで、往来するケーブルカーを横目にしながら登っていきます。道中の山頂付近に広がる御幸ヶ原は筑波山を代表する景勝スポットのひとつです。
距離 約2km
所要時間 登り約90分(下り約70分)
筑波山神社から出発し、筑波山山麓を横断しながら女体山頂へと向かうルート。 コースは険しい区間もあり高低差も結構あります。道中筑波山の自然の他、点在する奇岩・巨岩を見ることができます。
距離 約2.8km
所要時間 登り約110分(下り約95分)
途中までは白雲橋コースと同じで、途中からつつじヶ丘へと向かうコース。山頂には行きませんが、緑や鳥の鳴き声を楽しみながらゆっくりと散策できます。
距離 約1.6km
所要時間 登り約40分(下り約35分)
つつじヶ丘から女体山頂を目指すコースのうち、麓のつつじヶ丘から白雲橋コースに合流するまでの比較的距離の短いコースで道中急な階段もあります。
距離 約1km
所要時間:登り約40分(下り約35分)
男体山の頂上付近を散策するコースで、山麓の登山道とは趣の異なる自然や山頂からの眺望が楽しめます。
距離 約1.5km
所要時間 約60分
男体山山頂と女体山山頂とを結ぶ連絡路でケーブルカーの山頂駅がある御幸ヶ原がほぼ中間地点になります。御幸ヶ原には食堂や売店もあり登山客や行楽客で終日賑わっています。登山に自信の無い方はロープウェイもしくはケーブルカーで山頂まで来て、山頂連絡路を散策するのも一案です。なおケーブルカー山頂駅から男体山山頂までは結構きつい岩の坂道を15分ほど登ることとなりますので山頂を目指す場合は特に足元に注意して下さい。
ここまで筑波山における各登山道をご紹介してきましたが、古より信仰を集めてきた筑波山には数多くのパワースポットと呼ばれる場所や癒やしスポットが点在しています。本項ではこれら登山道にある各パワースポットや癒やしスポットをご紹介していきます。
御幸ヶ原・立身岩
ケーブルカーの筑波山山頂駅は御幸ヶ原と呼ばれる高原が広がり関東平野が一望できる無料の展望台やレストランなどが整備されています。
また御幸ヶ原から5分ほど歩いた所にある「立身岩」は親鸞聖人が餓鬼を救済した場所といわれ、間宮林蔵が少年時代に立身出世を祈願したと伝わることから今でも出世祈願をする人が絶えません。
紫峰杉
紫峰杉は登山道から少々道を逸れた所にある樹齢800年と推定される杉の大木で、その高さは40m、幹周りも7mほど。その力強く生命力みなぎる杉の大木は筑波山登山における癒やしスポットのひとつとなっています。なお紫峰杉の「紫峰」とは筑波山の別称で、由来は朝昼夕と山肌の色が変わるところからきています。
男女川源流
前述の紫峰杉近くに湧いている男女川の源流は百人一首にも詠まれている癒やしスポットで筑波山随一のパワースポットと言われています。
歌
「筑波嶺(つくばね)の峰より落つる男女川(みなのがは) 恋(こひ)ぞつもりて淵(ふち)となりぬる」
意味
筑波のいただきから流れ落ちてくる男女川(みなのがわ)が、最初は細々とした流れから次第に水かさを増して深い淵となるように、恋心も次第につのって今では淵のように深くなっている。
女体山山頂
男体山と対をなす女体山の山頂はロープウェイ山頂駅を降りてすぐのところにあり地平線まで広がる関東平野が一望できる眺望スポットになっています。
周辺には口を開いたカエルのような形をした「ガマ石(口に見える岩と岩の間に小石を投げ、その小石が入ると出世するとの言い伝えあり)」やセキレイという鳥が止まり男女の道を教えたとされる「セキレイ石」などがあります。
つつじヶ丘
ロープウェイの麓駅があるつつじヶ丘はその名が示すとおりツツジの名所です。ツツジの見頃は毎年4月下旬から5月下旬でつつじヶ丘駅から山頂に向かって少々登っていくと慎ましくも見事なツツジの群生を見ることができます。つつじヶ丘駅周辺には数多くのガマ(カエル)のモニュメントがあり、登山口入り口付近に鎮座している「ガマ大明神」はその大きさに驚かされます。
筑波山は地殻変動により地面が隆起して形成された山なので、元来地中にあった岩が地表面に姿を現し、通常ではあり得ないような奇景を見せています。これらの奇岩・奇景は主に女体山山頂からつつじヶ丘にかけての登山道で多く見かけることができます。
弁慶七戻り
岩の上にある岩が落ちそうで弁慶が何度も行き戻りしたと伝わる奇岩。聖と俗とを分ける門ともいわれています。
北斗岩
天空に向かって伸びている岩で。北斗星のように動くことのない意の岩と言われています。
陰陽石
10m以上もの大きさの2つの岩で陰陽寄り添っているように見えることから「陰陽石」の名が付けられたといわれています。
白蛇弁天
「白蛇弁天(はくじゃべんてん)」はここに白い蛇が住んでいるといわれ、この白蛇を見ると財をなすといわれているパワースポットです。
標高877mとはいえ麓から徒歩で山頂まで登山するのは一苦労でそれなりの装備や服装が必要となってきますが、ロープウェイやケーブルカーで山頂まで行き、山頂付近を散策するだけなら比較的軽装でも大丈夫です。ただし標高が低いとはいえ山ですので、数日前に雨が降った場合はぬかるんだ部分が残ってる場合がありますし、霧もよく発生します。場所によっては滑りやすい区間もありますので、山頂周辺のみを散策する場合でも足元はしっかりとした歩きやすく滑りにくいトレッキングシューズや登山靴を履くようにしましょう。
山頂付近の散策のみ
山頂連絡路には売店や食堂、ロープウェイやケーブルカーの駅などがあるので急な天候の変化があっても退避することができ、比較的軽装でも構いません。ただし前述してあるとおり滑りやすく急な道もあるので、足元はしっかりとした歩きやすく滑りにくいトレッキングシューズや登山靴を履くようにしましょう。
麓から登山する場合
麓から登山する場合はそれなりの準備をしておりた方が無難です。標高が1000m未満とはいえ麓、道中、山頂の気温差は意外と激しく寒さ、暑さ対策の為のアウターやタオル、飲み水などは必ず用意しておくようにしましょう。
豊かな自然につつまれた筑波山は森林の植生が、筑波山神社やロープウェイ・ケーブルカーの山麓駅周辺は、アカマツ、コナラ等を中心とした常緑樹、中腹がモミ、スギ等を中心とした常緑樹と落葉樹が混在する森林、山頂付近が落葉樹であるブナ林となっています。
この為、紅葉シーズンになると麓から山頂まで様々な色合いの紅葉を楽しむ事ができます。
これら筑波山の紅葉でもっとも美しいとされるのが、筑波山山頂から御幸ヶ原にかけてのエリアで、毎年10月下旬頃から色づきはじめ、11月上旬から中旬にかけて見ごろを迎えます。
またロープウェイやケーブルカーの車窓から眺める紅葉も人気で、ロープウェイは紅葉の絨毯の上を遊覧するような光景が、またケーブルカーは紅葉のトンネルの中を進むような光景を楽しむ事ができます。
筑波山南麓と筑波山ロープウェイを結ぶ区間(県道236号線)は筑波パープルラインと呼ばれ、以前は有料道路であった表筑波スカイラインと筑波スカイラインを合わせた約12kmの総称です。
筑波パープルラインは緩やかなカーブの多いいわゆる「ワインディングロード(Winding road・「曲がりくねった道路」の意味)が続き、道幅が比較的広く路面の凹凸も少なく気持ちよく走行できることから、関東周辺でも人気のドライブコースとなっております。
また尾根筋を通る筑波パープルラインは周辺に標高の高い山々が存在しないことから所々から視界に飛び込んでくる眺望が素晴らしく、特に駐車場が整備されている南側の起終点にあたる朝日峠展望公園からは、都心の高層ビル群を含め関東平野が一望できるほか、筑波山も間近に見ることもできます
道路が比較的空いている朝方にドライブを楽しみながら筑波山に車を走らせ、その後山登りを楽しむ、 まさに筑波山観光の醍醐味ではないでしょうか。
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