高尾山の登山(ハイキング)



 高尾山には多数の登山ルートが整備されており、内容も初心者向けのコースから健脚向きまで様々。また中腹までケーブルやリフトで行けるので、そこから山頂までハイキング気分で楽しむこともでき登山初心者には最適の山となっています。
 このような理由からか高尾山を訪れる観光客は年間300万人で世界一。また年間の登山者数は約260万人を超え、こちらも世界一の数字となっています。各登山道については高尾駅やケーブル・リフト駅で高尾山の登山地図が掲げられていますし各種パンフレットも入手できますので、現地で直接コースを選ぶというのも一案ですが、初めて訪れる方は事前に下調べしておいた方が間違いやトラブルも少なく無難です。なお気になるトイレですが、トイレ自体は沢山あるのですが、そのほとんどが1号路(メインの登山道で薬王院の参詣路でもあります)に集中しています。
 また近年の登山者増加に伴い遭難事故も増えており、特に「疲れて歩けない」「足が痛くて歩けない」「子供がはぐれてしまった」といったいわゆる「軽度の遭難」が急増しています。登山の際には事前に計画を立て、歩き方、服装や持ち物など万全の準備をし事故を未然に防ぐのは最低限のマナーです。皆さんも軽い気持ちで登山するのではなくそれなりの準備、心構えをもって登山に挑んでください。
 

目 次

登山コース・ルート一覧
 1号路 難易度 中 距離3.8km
 2号路(中腹散策路)
 3号路 難易度 中 距離2km 
 4号路(吊り橋コース) 難易度 中 2.5km
 5号路(山頂散策路) 
 6号路 難易度 高 3.3km
 稲荷山コース 難易度 高 3.1km
 登山に要する時間
登山の服装
 高尾山の気温



コース・ルート(登山の時間)


 高尾山の登山コースは10年、20年前に比べると年々整備が進んできたように感じますが、やはり登山コースの場所によってはかなり狭い場所や歩きにくい道もあります。以下に各登山コースの特徴と難易度、トイレの有無、登山の時間などを紹介します。

登山コース・ルート一覧

高尾山 登山道

1号路( 表参道コース )  トイレ5ヶ所、距離3.8Km 難易度 中(麓から登山する場合) 
高尾山 1号路 ほとんどの道がコンクリート?で舗装されており売店や休憩所も沢山あるいわゆる高尾山登山における定番コースでサンダルやスニーカーで歩いている人も多く見かけます。ただしコース前半の坂道はかなり急でキツく薬王院への参拝が目的の場合はケーブルやリフトで中腹まで一気に行ってしまった方が楽です。売店や見所も中腹以降にあります。
 所要時間は麓から約1時間30分ほど。

高尾山の登山・ハイキング  


2号路( 霞台ループコース )  トイレなし 距離900m 難易度 低
高尾山 2号路 山の中腹で円を描くように整備されているルートで登山道というよりは「園内の散策路」といった感じの道です。サル園やたこ杉を囲むような形となっており、一部階段や自然道となっています。所要時間は一周約40分
  


3号路( かつら林コース )  トイレなし 距離2km 難易度 中
 1号路と中腹(ケーブルorリフトの駅がある場所)まで同じ道で、そこから自然道へと分岐しています(麓から向かって左側へ)。道は木々が両脇にせまり雰囲気はまさに山道そのものです。所要時間は中腹から約1時間10分ほど。
  
 
4号路( 吊り橋コース )  トイレなし 距離2.5km 難易度 中
高尾山 4号路 こちらも3号路同様中腹から分岐しており、3号路とは反対側の麓から向かって右側に道が延びています。この道の一番の特徴は道中吊り橋があることで、他は3号路とほぼ同じです。所要時間は中腹から1時間10分ほど。

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5号路( 山頂ループコース )  トイレなし 距離900m 難易度 低
高尾山 5号路 その名のとおり山頂をループしている道で2号路同様「散策路」といった感じの道。当然の事ながら展望台も整備されており高尾山を登山、ハイキングする人が最終目標としている地点です。所要時間は一周30分。
  


6号路( びわ滝コース )  トイレ2ヶ所 距離3.3km 難易度 高
高尾山 6号路 麓にあるケーブルorリフト駅から向かって左側の道を進んでいくコース。最初は車も通る舗装された道ですが登山口を境に自然道となります。このルートの特徴は「びわ滝」。登山道をすすんで間もなくの所にあり大岩の上で琵琶を弾いている老人がいて、僧侶が話を聞こうとしたら、老人の姿は消え滝になったといわれている滝です。道は踏み固められた比較的平坦な道がメインですが、一部岩肌が迫り地面も濡れていることが多く、岩の上を歩くときなどは滑りやすいので細心の注意が必要です。所要時間は1時間30分ほど。なおびわ滝は滝修業の道場として一般の方も体験可能です。

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稲荷山コース( 見晴らし尾根コース )  トイレなし 距離3.1km 難易度 高
高尾山 稲荷山コース 標高396mの稲荷山を通過して高尾山山頂に向かうルート。複数ある登山道を大きく迂回するように整備されています。道は他の登山道と比べると若干広めですが、木の根が地面を這うように延びている所もありよそ見をしているとつまずいてしまうことも。雰囲気的にはもっとも登山道らしい道で、個人的にはゆっくりと時間をかけてハイキングするなら一番おすすめなコースだと思います。また難易度は「高」としてますが、これはあくまで高尾山の他の登山道と比べた筆者の個人的な感想で、一般的な登山コースでは「入門コース」に相当するレベルです。とはいえ「なめてかかる」ような事はせず、それなりの装備をもって挑んでください。所要時間は1時間30分
  


高尾山・陣馬山コース  距離15.3km 難易度 高
 このルートは筆者は歩いたことがないので説明は割愛させていただきますが、高尾山山頂からさらに一丁平、城山、景信山と山のうねを縦走し陣馬山へ向かうロングコースです。


登山コース・ルートの時間

 各登山コースの時間についてはそれぞれ上述してありますが、要約すると以下のとおりとなります。下の図を基に登山計画を考えてもらえればよいとは思いますが、山登りの基本事項のひとつとして「登山は早い時間帯にスタートする」というのがあり、筆者個人的には高尾山においては午前7時頃からスタートするのがベストではないかと考えています。

※下の所要時間はあくまでも筆者の体験に基づくおおまかな時間ですので実際には人によって個人差があります。

高尾山 所要時間
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服装


 高尾山は子供から年配の方までがハイキング気分で登山を楽しむことが出来る所です。
 基本的に高尾山を麓から歩いて登る場合は登山服を着用されることをおすすめしますが、現実には足元以外は普段の服装でも問題はありません。またケーブルカーやリフトを使 えば中腹まで登ることができるのでサンダルやハイヒールで散策されている方も多く見かけます。しかしサンダルやハイヒールで登ることは危険ですのでスニーカーや登山靴を着用して登山やハイキングを楽しむようにしましょう。特に6号路や稲荷山コースは滑りやすい箇所も多々ありますので前日に雨などが降った日には滑りにくい登山靴などを用意した方が無難です。以下に高尾山登山(稲荷山コース及び6号路を想定)において用意しておいたほうがよいものを列記しておきます。また筆者が個人的に特に重要で必ず準備しておいた方がよいと思っているものは赤字で表示してあります。

帽子 上着 登山靴 弁当  雨カッパ タオル


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ビアガーデンと服装

 高尾山の中腹、ケーブルカーの終点となっている高尾山駅のすぐ近くには毎年6月中旬から10月中旬まで営業しているビアガーデンがあります。「東京1標高が高いビアガーデン 」のキャッチフレーズのもと東京、横浜方面の夜景を楽しみながらビールを楽しめるとあって連日多くの人で賑わいます。
 登山を終えて疲れた体に注ぐビールの味は格別であろうことは想像に難しくないと思いますが、登山者の皆さんは皆さんどのような服装でビアガーデンを訪れるのでしょうか?
 結論からいいますとほとんどの方が登山を終えてそのままの服装でビアガーデンに突入しています。とはいっても大半がカジュアルな格好で登山してますので、本格的な登山の服装でビールを飲んでいた方はさほど多くなかったと記憶しています。ただ場所が登山やハイキングの名所である高尾山ですので、登山服でビールを飲んでいてもまったく違和感などは感じなかったというのが個人的な感想です。


高尾山の気温について

 山登りする際の服装を選ぶ要素のひとつに「現地の温度」があります。高尾地区(麓)の気温は都心部に比べると平均して約2℃程低くなっています。また山頂に行くとさらに2℃程下がり温度差は合計4度となります。この4度という温度変化を日数に換算すると約1ヶ月となり5月の高尾山山頂は東京都心部における4月の気温とほぼ同じとなるわけです。
 ただし上記はあくまでもおおまかな目安であり、山の気候は変わりやすく、霧や風といった気象状況により体感温度は異なります。特に初詣をはじめとした冬場はその気象状況の差を顕著に体感するので服装には十分気をつけるようにしましょう。

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