パワースポット塩竃神社
陸奥国一宮にして東北鎮護の要として奈良・平安の頃より人々の信仰を集めてきた塩竈神社。多くの信仰や言い伝えに裏付けられたご利益は多岐にわたり、神話の時代にまでさかのぼる言い伝えや眺望の美しさから近年はパワースポットとしてもよく知られるようになりました。
本ページではこのパワースポット塩竈神社のご利益について、その由緒や由来を交えて紹介していきます。
塩竈神社の属性は中立(ニュートラル)といわれています。なお「属性」の考え方については別途「
パワースポットの属性」のページをご参照下さい。
※本ページにおけるご利益やパワースポットは現地の案内看板や説明書きの記述をもとに作成しています。
塩竃神社のご利益としては主祭神である塩椎神が多くの神々を導いてきたことから「人々をよい方向に導く」こと。また海神であり塩の満ち引きを司ることから海上安全などがよく知られています。そして一番よく知られているご利益が安産。塩竈神社は古来より安産守護の神様として多くの信仰をあつめています。
主祭神
塩椎神(しおつちのかみ)
古事記の山幸彦・海幸彦の神話に登場し、山幸彦を海神の宮殿に導きます。なお山幸彦は初代天皇である神武天皇の祖父にあたり、塩椎神の導きにより海神と会うことで天下を支配するきっかけを得ることとなります。
建御雷神(たけみかづちのかみ)及び経津主神(ふつぬしのかみ)
天照大神の命により地上を支配していた
大国主命を説得して国譲りを遂行した武神です。この2柱は鹿島・香取神社の主祭神としてもよく知られています。
上記の建御雷神及び経津主神は国譲りの後、東北地方の平定に向かい、その際に塩椎神が道案内をしたといわれています。そして塩椎神は東北平定後もこの地に留まり人々に製塩の方法を教え塩竃神社に鎮座したとされています。
お守り
塩竈神社では他の神社同様色々なご利益のあるお守りをお受けすることができますが、中でも一番人気なのが「うまくいく御守」。読んで字のごとく 「すべてのことがうまくいく」オールラウンドのお守りです。このお守りには「うま(馬)くいく(九)」ように馬の蹄が九個記されています。
この他「お清めの塩」もご利益アイテムとして人気があります。主祭神の1柱である塩椎神は製塩を人々に教えた神様で塩竃の由来ともなっていますので、塩には強力なパワーが宿っているというわけです。なお授与所で確認したところ「御守りの撮影はご遠慮下さい」との事でしたので。筆者がお受けした開運の鈴の写真を参考までに掲載しておきます。
男坂は鹽竈神社の拝殿正面の随身門から伸びる表参道の長い石段です。石段の数は202段あり初めて見る方は必ず「これを登るの?」と呟いたり頭の中で思ってしまうと思います。
しかし「男坂」と呼ばれるこの石段こそが、登るとパワーや運気が上がると言われているパワースポットなのです。
なお塩竈神社の参道は全部で3箇所ほどありますので猛暑日や足腰の悪い方、凍結や雨で石段が滑りやすい日などは無理して男坂を登らず他の勾配の緩やかな参道を通るとよいでしょう。
七曲坂は鹽竈神社にある3つの参道のうち最も古い参道といわれています。いわゆる未舗装の「山道」のようになっており利用する人もほとんど見られないのですが、その昔、主祭神である塩土神が歩いたと伝えられる神聖な道です。ある意味塩竈神社随一のパワースポットといってもよい道です。
安産祈願・戌の日
安産祈願
塩椎神は安産信仰のつたわる神様で、塩椎神を主祭神としている塩竈神社でも安産守護のご利益があると信仰を集め多くの方が安産祈願に訪れます。
塩椎神と安産信仰の関係ははっきりと分かっていないのですが、一説によると塩椎神は穢れを清める塩の製塩を司る神様ですから「産後の穢れ」を清める意味が込められているのではないかとされています。
※本項で記述している「穢れ」とは一般的な「汚い」という意味ではなく、「生命に異常をもたらすような忌まわしく不吉な状態」を指し、お産は出血を伴い、昔は多くの妊婦や幼児が出産時に命を落としたことから出産は「穢れ」とされ、塩は穢れを払うもっとも一般的で強力なものです。
戌の日
一般的な安産祈願は5ヵ月目の
戌の日にお祓いを済ませた腹帯(岩田帯)を巻く風習となっています。これは戌(犬)が多産・安産であることから、これにあやかろうという意味が込められています。また岩田帯は妊婦が腹部の保温や保護、胎児の位置を正常に保つのを目的とした腹巻きで、岩のようにたくましく、元気な子供が生まれるようにとの意味が込められています。岩田帯は自分で購入し持参することもできますし塩竈神社で安産祈願を受けると撤下品(祈祷料は8千円となります)として頂くこともできます。
また安産祈願の予約は不要で戌の日には30分に1回の割合で安産祈願のご祈祷が行われます。稲穂料は5千円ですが岩田帯を頂く場合は8千円となります。
以上色々とご紹介しましたが身重の体でわざわざ塩竈神社を訪れたはいいが手違いがあっては台無しです。安産祈願を受ける場合は事前に電話して直接確認することをおすすめします(TEL 022−367−1611)。また参道は
急な石段が続く表参道ではなく駐車場が整備され緩やかな傾斜の東参道を利用して下さい(車で来た場合は自然と東参道からの参拝となりますし、タクシーを利用する場合でも安産祈願で訪れることを告げると東参道の方へ車を回してくれます)。