水天宮の安産祈願・お宮参り
安産祈願やお宮参り、お礼参りというのは日本人の生活習慣・文化に根付いた神道儀礼のひとつです。
水天宮は子供の守護神として信仰されている為、安産祈願や子供の健やかな成長を願うお宮参りに多くの方々が訪れます。一般的に安産祈願とお宮参りは一連の流れのなかで行う方が多く(要するに同じ神社で行う)、安産祈願のお礼参りもお宮参りの時に行う方が多いので、これら一連の流れを時系列的にご紹介していきます。
目 次
安産祈願
腹帯
初穂料
時間
お宮参り
時間
初穂料
写真・食事
服装・作法
お礼参り
金額
返す物
いついけばよいか?
安産祈願とは読んで字の如しですが、具体的には新たな命を授かったことを感謝し、妊娠中の母親とお腹の赤ちゃんの健康そして無事生まれてくることを祈願するものです。この時「腹帯」を持参し(神社でお受けできるところもあります)お祓いをしてもらい以後腹に巻いて過ごします。
正式には妊娠5か月の最初の
戌の日に参拝するものですが、現在は時間にゆとりのないシビアな時代ですし妊婦さんの体調の具合もあるので、妊娠5ヶ月を目処に妊婦さんの体調と相談して決めるのが一般的となっています。
それではまず最初に水天宮における安産祈願のおおまかな流れをご紹介します。
@ 受付用紙をもらい、祈祷やお守りの要・不要を記入
A 受付に受付用紙を提出し、初穂料を納める
B 待合室へ進み、名前札と整理券を受け取る
C 本殿へ案内され、ご祈祷を受ける
現地には案内してくれる人がいるので、基本的には特に心配するようなことはありませんが、ご祈祷を受けるのは妊婦さん本人のみで代理の場合も1名だけとなっています。
安産祈願の際に
忘れてはいけない持ち物が「腹帯」です。腹帯は岩田帯ともいい、お祓いを済ませた後、妊婦さんのお腹に巻く風習となっています。これは妊婦が腹部の保温や保護、胎児の位置を正常に保つのを目的とした腹巻きで、岩のようにたくましく、元気な子供が生まれるようにとの意味が込められています。安産祈願で有名なおおくの神社では撤下品や授与品としてお受けすることが可能で、水天宮でも「御子守帯(腹帯+お守り)」を4,000円でお受けすることができます。もちろん新品の腹帯のみとなりますが自ら持参してお祓いを受けることも可能です。
安産祈願の初穂料。つまり安産祈願の料金(費用)ですが、水天宮においては安産祈願の初穂料は5,000円となっています。
他に腹帯やお守りをお受けすることができ、これらを選ぶ事により初穂料の費用は異なってきますので以下に水天宮における各料金・金額を記しておきます。
安産祈願 5,000円
腹帯+お守り 4,000円
お守りのみ 3,000円
※安産祈願の他に腹帯の授与もうけるなら金額は9,000円となるわけです。
上述の初穂料はあくまでも「東京水天宮」のものです、初穂料というものは元来参拝者の気持ちを表すもので決められた金額というものはありません(一般的には5,000〜15,000円といわれています)。他の神社で安産祈願を行う場合は失礼のないように事前に確認しておくとよいでしょう。
水天宮の祈祷受付時間は8時〜15時30分(戌の日は、16時まで)。祈祷開始は9時からとなっています。祈祷時間は15分ほどで数分おきに数名ずつ祈祷が行われます。
待ち時間は平日で30分、土日祝日や
戌の日は1〜3時間ほどですが待合室は妊婦さんに配慮したホテルのロビーを思わせるような構造となっており、ストレスを感じるようなことはまずありません。
ただし、安産祈願に良いとされる大安や休日、戌の日が重なる日は多くの方が訪れ、場合によっては入場規制が行われるほど混雑しますので、水天宮に限っては逆に戌の日の休日や大安の日は避けた方がよいというのが多くの方々の意見です。
以下はあくまでも大安・休日・戌の日が重なった日に安産祈願を受けた方の体験談で、筆者自身は直接確認してないのですが、
・混雑を予想して8時前に訪れたがすでに50人以上並んでいた
・9時頃に訪れたらすでに500m以上の行列ができており、ご祈祷は午後だった
などという人も。水天宮でも交通整備員を出したりツイッターで混雑情報をリアルタイムで発信したりしています。予約できれば楽なのですが水天宮では予約は行っていないので、安産祈願の日は戌の日や大安にこだわらす、主役である妊婦さんがご自分の体調と相談して決めるのが一番なのではないでしょうか(あくまでも筆者個人的な意見です)。
お宮参りとは初宮詣ともいい、子供の誕生後、三十日前後に初めて神社に参拝し、子供が生まれてきたことに対する感謝と健やかな成育と幸せをお祈りすることをいいます。水天宮は子供の守り神が祭神であることから
安産祈願、子授のご利益があるとされている神社。そのため、安産祈願で水天宮を訪れ、赤ちゃんの出産後、お礼参りもかねてお宮参りで再び水天宮を訪れる方が多くみられます。
なお「お宮参り」の意味・一般的風習等の詳細については別途「
明治神宮のお宮参り」をご参照下さい。
水天宮におけるお宮参りの時間(ご祈祷時間)は15分ほど。開始時間は決められているので受け付け時に祈祷を受けたい時間を予約します。なお東京水天宮においてはお宮参りそのものの予約は行っていないので当日現地で受付を行い時間を予約して下さい。
また気をつけてほしいのが休日・大安・戌の日が重なった日です。上段でご紹介していますがこの日は安産祈願に訪れる方で混雑しますので、極力避けるようにして下さい。
境内の開門時間 午前7時〜
祈祷の受付開始時間 午前8時〜15時30分
祈祷開始時間 午前9時〜
水天宮のお宮参りにおける初穂料、つまり料金は一律5,000円となっています。なお初穂料については変更となっている場合もありますので、参拝予定の方は事前に確認して下さい。
また他の神社における一般的な初穂料(料金)は5,000〜15,000円といわれています。
水天宮はお宮参りに訪れる方が多いので、お宮参りには定番の記念写真や食事のサービスを提供している所が数多くあります。その代表的なのが、「
水天宮前写真館」と「
ロイヤルパークホテル」です。いずれも水天宮近くにあり、水天宮前写真館はお祝い事の撮影を専門とし、お宮参りの衣装も無料で貸し出してくれます。またロイヤルパークホテルでは、お宮参り用のお食事プランがあり記念写真という食事のコースが用意されています。個室での特別コース料理を楽しめるほか、記念写真撮影もセットとなっています。
服装は正装が一般的で(これはお宮参りに限らずご祈祷一般のことです)、赤ちゃんは産着(祝い着)の下に白羽二重の内着を切るのが正式ですが最近ではベビードレスの方も多く見られます。
またご祈祷の最中に赤ちゃんが泣き出すことがありますが、大声で泣くということは神様に強く印象付る意味を持ち、お宮参りで神様の前で泣くのは吉事とされています。
もし神前で赤ちゃんが泣き出してもご両親や他の祈祷者共々焦らず、むしろ喜んであげて下さい。
お礼参りというのは神社やお寺にお願い事をしてそれがかなった時にそのお礼や報告をするために参拝することをいいます。一般的には特別な祈祷など行わず、気持ちとして初穂料(1,000〜3,000円)を納め、この時祈願時にお受けしたお守りやお札があれば返納します(返納場所は各神社の社務所に直接確認して下さい)。
本項では東京水天宮における安産祈願のお礼参りを中心にご紹介していきます。
祈祷料については初穂料(金額)を決めている水天宮ですが、お礼参りについては特に決まってません。基本的にはその人の「気持ち」となるのですが、前述してあるとおり1,000〜3,000円が一般的な金額とされており、のし袋に入れて納めます(神社によってはそのまま納める場合もあります)。のし袋は「紅白蝶結」の水引を用意し、上部に「御玉串料」「御初穂料」「御礼」とどれかを、また下部には名前を書きます。
お礼参りで返すものは祈願時にお受けしたお守りやお札となりますが、安産祈願のお礼参りの場合はこれに「腹帯」が加わります。これらの返納品は神社の方でお焚き上げしてもらえます。
なお腹帯については必ずしも返さなくてもよく、お子様の産着や次のご懐妊の時の洗い替えに再利用しても問題はありません。ただし後日懐妊時の安産祈願に再び利用したり、雑巾やオムツとして再利用するのはよろしくありません。
神社に返納できるもの
東京水天宮では水天宮でお受けしたお札やお守りの返納しか受けてませんが、多くの神社では他の神社でお受けしたお札やお守りの返納を初詣の時期を中心に受け付けていますし、場合によっては仏教の経典なども引き受けてくれる神社もあります。気になる方は最寄りの神社で確認してみて下さい。ただし原則どの神社も人形や不燃物で構成されている物等については返納を断っています。
お礼参りの時期についてはとくに「いつ」とは決められていないのですが祈願成就した時点から1年以内もしくは祈願成就した年内中というのが一般的といわれています。具体的には
合格祈願→合格発表後1年以内もしくはその年の12月31日まで
病気治癒→病気快癒後1年以内もしくはその年の12月31日まで
といった感じになるのですが個人的にはやはり早い方がいいような気がしますし、神道は時の流れを年単位で考えますから年内中に行うのが吉のような気がします。
なお安産祈願のお礼参りの場合は時期的にお宮参りと重なるので同時に済ませてしまうことが多いようです。同時に行うといっても特に難しいことはなく、お札やお守りを神社に返しお宮参りとお礼参りの初穂料を納め、社殿に感謝の気持ちを込めて参拝するだけです。