高千穂神社
高千穂神社は
天孫降臨してきた瓊瓊杵尊とその子孫達を祀った神社です。創建は1900年ほど前の垂仁天皇の時代といわれ現在の本殿は1788年に再建されたもので国の重要文化財にも指定されています。
平安時代の頃から高千穂郷八十八社の総社として縁結びや農業産業振興の神様として信仰を集めてきましたが、近年は恋愛運UP及び縁結びの御利益があるパワースポットとして知られるようになり、境内にある夫婦杉は二人で手をつないで3回まわると「縁が深く長く続く」と言われ、縁結び、家内安全、子孫繁栄などのご利益があるとされています。また同じく境内にある鎮石は世の乱れを鎮めるとされ、手をかざすと温かみや刺激のような感じを覚え、祈ると悩みが鎮められるといわれています。
このように高千穂神社は
高千穂峡と並んで高千穂地方を代表する観光スポットとなっている他、高千穂に数多くあるパワースポットのなかでももっとも強い効果があるスポットとして人気を集めています。
なお高千穂神社を含めた高千穂地方一帯のパワースポットの
属性は「全属性OKのニュートラルといわれています」
御祭神
高千穂皇神(たかちほすめがみ)
高千穂皇神は日本神話の日向三代と称される皇祖神とその配偶神(
天津彦火瓊瓊杵尊と
木花開耶姫命、
彦火火出見尊と
豊玉姫命、「うがやふきあわせずのみこと」と
玉依姫命)の総称。
十社大明神
十社大明神は神武天皇の皇兄、三毛入野命(みけぬのみこと)とその妻子神9柱の総称といわれています。
※本ページに記載されている情報については変更されている場合もありますので、ご利用の際は必ず現地の表記をご確認ください。
目 次
高千穂神話
岩戸隠れ
天孫降臨
鬼八伝説
高千穂神話のなぜ?
高千穂三大神社
高千穂神社
くし觸(ふる)神社
荒立神社
高千穂のパワースポット
天岩戸神社
天安河原
高千穂の神様達と御利益
古代には「日向(ひむか)の国」と呼ばれていた宮崎。その宮崎の高千穂地方には神話や歴史を記した古事記、日本書紀にも登場する名所や言い伝えがいくつも存在しており、宮崎を舞台に伝えられる日本の発祥にまつわる言い伝えは総称して宮崎神話(高千穂神話)と言われています。
太陽神である天照大御神は高天原を治めていましたが、弟神である
素戔嗚尊(すさのおのみこと)の勝手乱暴な振る舞いに心を痛めて天の岩戸に引きこもってしまいます。
太陽神である天照大御神が天の岩戸に引きこもってしまうと世の中は真っ暗になってしまい、闇夜に乗じて悪神がうごめき世界は災いに満たされてしまいました。そこで八百万の神々が集まり相談し知恵の神様である思金神(おもいかねのみね)が頭を絞って一策をこうじます。まず天の岩戸の前で暁をつげる「長鳴鳥」を鳴かせ祝詞を唱えます。そして岩戸の前で芸能の女神である天宇受賣命(あまのうずめのみこと)が踊り狂い、その姿を見た神々が笑い転げます。神々の笑い声を聞いた天照大御神が何事かと天の岩戸を開いたすきに手力男神(てじからおのかみ)が天照大御神の手を取って外に引き出し世界は再び明るくなったのです。
高千穂にはこの天照大神が隠れたと伝わる洞窟「天岩戸」があり、
天岩戸神社は天岩戸の洞窟そのものがご神体となっています。また高千穂町にある
天安河原は八百万の神々が集まり相談した場所と言われています。
天孫降臨とは直訳すると「神の孫が天から下界に降りる」という意味で、大国主命より地上の世界を譲り受けた天照大神は(
出雲神話 国譲り編を参照)孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に地上を治めさせる事にし、勾玉と鏡と剣を授けたうえで(このうち勾玉と鏡は後の「三種の神器」となります)、天戸隠れで活躍した五部族の神々を瓊瓊杵尊に付き従わせます。
こうして天照大神の命を受け瓊瓊杵尊が地上に降り立った地が高千穂峰とされ(
注:天孫降臨の地については諸説あります)高千穂峰の山頂には瓊瓊杵尊が天孫降臨の際に突き立てたとされる「天の逆鉾」があります。
地上に降りた瓊瓊杵尊は高千穂を足がかりに地上の統治を行いますが、曽孫の
神武天皇の代に東征が行われ日本統治の中心は関西地方に移っていきます。
また瓊瓊杵尊に付き従って降臨した五部族の神々は古代豪族の祖とされ、このうち天児屋命(アメノコヤネ)は後に大化の改新で活躍する
中臣鎌足や1200年以上もの間廷臣の一大勢力となった藤原氏の祖と伝えられています。
神武天皇の兄、「三毛入野命(みけいりぬのみこと)」は東征の途中で高千穂に戻って悪行を働いていた鬼八を退治します。しかし鬼八は強い魔力で一夜にして蘇ったため身体を頭・胴・手足の三つに切り離し別々に埋めました。鬼八が埋葬されたとされる鬼八塚は「胴塚」「首塚」「手足塚」として今も残っています。
また三毛入野命と力自慢を争った時に、鬼八が投げたと伝わる石は「鬼八の力石」と呼ばれ、石には高千穂峡の安全と繁栄をこめて長さ5.5m、重さ約35kgの特大しめ縄がかけられています。
本項でご紹介した高千穂神話にはよく考えてみると合点のいかないいくつかの不思議な点があります。これは高千穂神話が記載されている古事記や日本書紀が編纂された当時の歴史的背景も影響しているといわれていますが(具体的には編纂当時(8世紀)すでに政治の中枢は中国や九州ではなく奈良に移っていた、編纂内容は当時の権力者達にとって都合の良いように書かれている可能性が高い等々)、はっきりとした理由は分かっていません。本稿ではこの高千穂神話の「なぜ?」についていくつかご紹介していきます。
1.
高千穂神話 なぜ九州に降臨したの?
天孫降臨の前、地上は大国主が出雲の地を拠点に支配していました。そして国譲りの交渉も出雲で行われています。
なのになぜ天孫降臨の地が九州の山深い高千穂なのでしょうか?普通に考えたら当時もっとも栄えていたと考えられる中国地方、もしくは海が近い平野部などに降臨してくるのが理にかなっていると思うのですが・・・・
2.
高千穂神話 なぜ降臨してきたのが天照大神の孫なの?
地上に降臨してきたのは天照大神の孫である瓊瓊杵尊ですが、実は最初は天照大神の息子である天忍穗耳尊(アメノオシホミミ)が天降る予定でした。
ところが直前になって孫の瓊瓊杵尊が降臨することになったのです。この理由についてははっきりと記載されていません。
3.
高千穂神話 なぜ高千穂は2カ所あるの?
実は高千穂と名の付く場所は宮崎県に2カ所あります。ひとつは宮崎県の北部に位置する
高千穂峡。本サイトでご紹介している所です。もうひとつの高千穂は宮崎県の南部。鹿児島県との県境にある霧島連山のひとつである高千穂峰です。この2カ所はどちらにも天孫降臨の言い伝えが残っていますが、直線距離にして100kmほど離れており、なぜこんなに離れた場所同士なのに同じ名前、おなじ言い伝えが残っているのか?不思議だとは思いませんか?
高千穂神社、くし触神社、荒立神社の三つの神社を順番に巡拝する「高千穂の三社参り」は「高千穂のパワースポット開運三社」として人気を集めています。本稿ではこの高千穂の三大神社についてご紹介していきます。
天孫降臨してきた神様やその子孫を祀った神。詳細は
前項をご参照ください。
下の写真は高千穂神社の夫婦杉で縁結び、家内安全、子孫繁栄などのご利益があるとされています
天孫降臨の地とされる「くし觸」の峰(注:天孫降臨の地については諸説あります)にある神社。創建は1694年で、瓊瓊杵命をはじめとする降臨してきたとされる神々が御祭神となっています。
また高千穂峡に注ぐ真名井の滝の水源はくし觸神社の近くにある「天真名井」と呼ばれるケヤキの根元から出る湧き水ですが、この湧き水は天孫降臨の時、地上には水が無かったのでアメノムラクモノミコト(天村雲命)が再び天上に上がり、水種を地上に移したものと伝えられています。

猿田彦大神(さるたひこおおかみ)と天宇受賣命(あまのうずめのみこと)の新婚夫婦神が暮らしたと伝わる神社。切り出したばかりの荒木で作った急ごしらえの宮居だった為、荒立宮と名付けられたと伝わっています。
猿田彦大神は天孫降臨の際に道案内をした交通の神様。また天宇受賣命は岩戸隠れの際に天照大神を岩戸から出すために踊った芸能の神様です。この為、縁結び、夫婦円満の御利益の他に交通安全、商売繁盛、芸能の上達といった御利益があるといわれています。
境内には七福徳寿板木(しちふくとくじゅばんぎ)と呼ばれる木の板が設けられており、願いを込めながらその板を七回木槌でたたくと心願成就するといわれています。
本ページでは高千穂の三大神社を中心にパワースポットをご紹介してきましたが、神話の里と呼ばれる高千穂にはまだまだ強いパワースポットがいくつかありますので、本項ではこれら高千穂におけるパワースポットをご紹介していきます。

岩戸隠れの際に天照大神が隠れたと伝わる洞窟「天岩戸」そのものをご神体としている神社で御祭神は「天照大神」。
岩戸川を挟んで東本宮と西本宮があり、天照大神が岩戸隠れしたとされる断崖中腹にある洞窟を御神体とする西本宮と、そこから岩戸川を挟んで対岸にある天照大神が天の岩戸から出た後に最初の住まいになったと伝わる東本宮があります。西本宮には本殿がなく断崖中腹にある天照大神が岩戸隠れしたと伝わる洞窟がご神体となっており洞窟周辺には神秘的な雰囲気が漂っています。
なお天岩戸への立ち入りは不可となっていますが、神職の案内のもと岩戸川を挟んで対岸にある西本宮の裏側にある遙拝所から参拝することができます。参拝時間については筆者が確認したときは30分おきとなっていましたが、参拝を計画されている方は念のため別途公式HPをご参照下さい。
https://amanoiwato-jinja.jp/

「天安河原」は、天岩戸神社西本宮から岩戸川を上流へ約10分ほど歩いた場所にある聖域です。
言い伝えでは天照大神が岩戸隠れした際に八百万の神々が天安河原に集まり相談したとされ、河原の奥には仰慕窟(ぎょうぼがいわや)と呼ばれる間口40m、奥行き30mほどの洞窟があり、そこには鳥居と拝殿が設けられ話し合いをした神々が祀られています(大雨等の増水時には立ち入りが不可となります)。
天安河原ではいつの頃からか河原の石を積みながら祈ると願い事が叶うと言われるようになり、天安河原を訪れて祈願した人が石を積んでいき、現在では無数の石積みが見られ、その別世界に迷い込んだような光景からは神秘的なパワーを感じる事ができます。
なお天安河原に向かう途中にある太鼓橋もパワースポットとして知られており、橋の上で瞑想するとパワーが授かるとされ一説には高千穂でもっとも強いパワースポットと言われています。
さてここまで高千穂におけるパワースポットをご紹介してきましたが、色々な神様がでてきて「何が何の神様か分からない」と言う方もおられると思いますので、本項では祀られている御祭神が何の神様でどのような御利益があると言われているのか簡単にご説明していきます。
天照大神
太陽神にして日本の最高神。あらゆる願いを叶える心願成就の御利益があるといわれています。高千穂では天岩戸神社の御祭神となっています。
「天地が豊かに賑わう神」を意味し天照大神の孫にあたる神。
大国主の国譲りを受け地上を支配する為降臨してきました。農業や産業の振興、国家安寧の御利益があるといわれています。
瓊瓊杵尊の妻である木花咲耶姫は大いなる山の神様の娘で桜のように美しい女性の神様。
花のような繁栄を約束する女神で地上に降りた瓊瓊杵尊の系譜の繁栄を約束しました。富士山をご神体とする浅間神社の祭神として広く信仰されています。
炎に包まれた産屋で子供を出産したという故事から火難除け、安産・子授の御利益があるとされ、他にも農業、織物業、酒造業ど山の神に関する御利益があるといわれています。
共に大いなる海神の娘で姉妹。姉の豊玉姫は兄の宝物である釣り針を探しに竜宮城まできた
彦火火出見尊の妻となります。妹の玉依姫命は彦火火出見尊と豊玉姫の間に生まれた子供「うがやふきあわせずのみこと」を養育し後に結婚します。そして二人の間に生まれた子供が初代天皇である
神武天皇となります
豊玉姫命・玉依姫命は共に安産、子宝、そして航海安全、水難避け等の御利益があるとされています。
