円通院と瑞巌寺は何が違うの?
円通院と
瑞巌寺は共に伊達家縁の寺院で
松島にある名刹です。この2つのお寺は隣り合って建てられており、共通点も多くよく混同されることもありますが、歴史や由緒は互いに異なるお寺で、見所なども互いに異なりますので以下にそれらをご説明していきます。
歴史 由緒
瑞巌寺
開山の年度ははっきりとわかってはいないのですが、平安時代の828年。慈覚大師円仁が開山したとされ、以後
霊場松島の中核をなす寺院として役割を果たし奥州藤原氏や執権(鎌倉)北条氏といった有力者達に保護され江戸時代になるとこの地を治めていた伊達家の庇護を受け繁栄します。
なお伊達政宗の正室である
「愛姫」の霊廟は瑞巌寺に隣接した所にあります。
円通院
円通院が建立されたのは1647年。伊達政宗公の嫡孫で若くして亡くなった光宗の霊廟として、瑞巌寺の第100世洞水和尚により開山されました。鎖国が行われていた江戸時代には伊達家家臣 支倉常長(はせくら
つねなが)がヨーロッパから持ち帰った品々や文化を隠す為にも使用されています。
ライトアップ
松島紅葉ライトアップは瑞巌寺では洞窟遺跡群(山門より外側にあります)が、円通院では境内そのものがライトアップされます。ライトアップのメインはやはり
円通院で、円通院は有料であるのに対して瑞巌寺は山門より外である為、拝観料は必要ありません。
数珠
数珠作りが体験できるのは
円通院の方です。また縁結びのご利益があるといわれているのも円通院です。一方瑞巌寺は前述してあるとおり「霊場松島」の信仰の場として発展してきた経緯があり、
大規模な洞窟遺跡群や(洞窟遺跡は円通院にも規模は小さいながらも存在します)伊達家関連の品々を展示している宝物館などがあります。
総括
以上円通院と瑞巌寺の違いを総括すると、瑞巌寺は霊場松島の信仰の場として平安時代から存在し、歴代の有力者から庇護を受けてきた縁から江戸時代には伊達家と深い縁を持つお寺となります。一方円通院の歴史は瑞巌寺に比べると浅く江戸時代初期。開山した人物は当時の瑞巌寺の住職で、開山の目的は伊達家の人物が眠る霊廟としてであり、伊達家や瑞巌寺の影響を色濃くうけたものとなっています。