パワースポット 伏見稲荷大社のご利益



おもかる石 1300年以上もの歴史をもち、日本でもっとも信仰されている神様の一柱で全国に約三万以上もある稲荷神社の総本山ともいえる伏見稲荷。稲荷山全体が神聖で巨大なパワースポットとされ、そのご利益は商売繁盛、五穀豊穣にあるとされることから現在は一般的に金運を授かることができると云われています。この稲荷神は711年の初午(2月最初の午(うま)の日)に稲荷山へ降りてきたと云われています。皆さんもし機会があれば、この春の始まりを意味する初午にお稲荷様へお参りしてみてはいかがでしょうか。
 なお有名な千本鳥居の真っ赤な世界の先にある奥社奉拝所には「おもかる石」と呼ばれる左右一対の石の灯篭があり、願い事をしながら灯篭の頭を持ち上げたとき、想像よりも重かったら願いは叶わず、軽ければ成就するといわれています。

※伏見稲荷大社のパワースポットとしての属性は「風」とされています。また属性の調べ方や考え方については別途「パワースポットの属性」のページを参照。



伏見稲荷大社の神様


伏見稲荷 拝殿 伏見稲荷大社に鎮座されている神様は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)で、素戔嗚尊(すさのおのみこと)と神大市比売(かむおおいちひめ)の間に生まれた御子。もともとは穀物を司る神様でしたが(「宇迦」とは食物のこと)、渡来系の豪族である秦氏の氏神である農耕神や仏教の荼枳尼天(だきにてん)、民間で信仰されていた「宇賀神」といった農耕神と習合し現在は「稲荷さん」として親しまれています。



狐は神の使い


伏見稲荷の狐 伏見稲荷大社に数多く見られる狐。なかには狐=お稲荷様=神様と思われている方も多いそうですが、狐は神使と呼ばれ、神意を伝えたり吉凶を示したりする役目を担っています。これは特に珍しいことではなく、よく知られているところでは奈良春日大社の鹿が、また珍しいものでは京都三嶋神社の鰻や栃木二荒山神社の蜂などがいます。またお稲荷様に油揚げを供える風習は神使である狐が好物であるということからきています。

千本鳥居


伏見稲荷 千本鳥居 お稲荷様でよく見られるのが数多くの朱色の鳥居。特に伏見稲荷の鳥居は「千本鳥居」とよばれ、願い事が「通る」あるいは「通った」御礼の意味で奉納されたもので全てが個人もしくは企業により奉納されたもの。注意して見てみると芸能人や有名企業の名が記された鳥居もよく見かけます。ちなみに千本鳥居の最初の鳥居には日本最大の広告代理店「電通」の名が記されています。また鳥居の朱色は魔除けや豊穣を表す意味があります。

稲荷山


稲荷山 伏見稲荷の重要な御神域で全体がパワースポットといわれている稲荷山は、その昔秦氏の祖先である秦公伊呂具が裕福に奢り餅を的にして矢を射たところ、餅が白い鳥となり山の峰に降り立ち、そこに稲が実ったので「イナリ」と名付けられ現在の稲荷山となるのです。都が奈良から京に遷り王城鎮護の東寺が建てられる際には稲荷山から材木が提供されたことから稲荷神は東寺の守護神としてもみなされるようになりました。


伏見稲荷大社は麻雀の聖地?


 麻雀はお稲荷様とはあまり関係のないようにも思えますが、実は伏見稲荷大社は麻雀を楽しむ方達の聖地として崇められています。その理由は、小説「麻雀放浪記」の著者で麻雀の神様と呼ばれた阿佐田哲也(本名 色川 武大)の祀られているから。毎年命日に近い、4月の第1日曜に新日本麻雀連盟によって例祭が行われているので興味のある方は是非一度訪ねてみてください。


怒らせると怖いお稲荷様


 稲荷神社の狐の石像は他の神社の狛犬などと比べると少々恐ろしげな表情で刻まれていることが多く、「ちょっと怖いな」と感じることがあります。またお稲荷様を一度参拝した後、その後1回も訪れなかったら障りがあったとかいうのはよく聞くお話です。これらはお稲荷様と習合した荼枳尼天が夜叉、羅刹の一族で狐に乗っている姿で描かれている祟り神であることや、一部の狐は日本では野干と呼ばれ人に悪さする悪獣(荼枳尼天がまたがっているのも野干)として信じられており、この野干がお稲荷様のイメージに悪い印象を与えている事などが理由としてあるそうです。その一方で全国には神様として昇格していない未成熟なお稲荷様も多く、縁を頂こうと参拝したはいいがその後参拝しなかったが為に厳しい仕置きをされてしまうという事例もあるのだとか。これは荼枳尼天は一度祀ると寿命が尽きるまで信仰を続けないとその人や家が没落する、あるいは災禍がもたらされるという言い伝え(荼枳尼天の修法)が影響していると考えられています。
 以上色々申し上げましたが数あるお稲荷様のなかで伏見稲荷は最高位のお稲荷様です。もしご近所のお稲荷様のご機嫌を損ねてしまったと感じたら伏見稲荷大社に参拝されるとよいでしょう。伏見稲荷のお稲荷様が仲介し、よい方向へ導いてくれるのだそうです。また新たに土地を購入、借り入れした際に寂れたお稲荷様の祠などがあったら一度近くのお稲荷様の神職に相談することをお勧めします。