三輪山の登山



三輪山 登山 三輪山における「登山」とは正確には「登拝」といい、聖なる山で御神体そのものである三輪山へ「参拝」する事が目的となります。したがって登山という表現はふさわしくないのですが、分かりやすくするため本サイトでは文言を「登山」に統一しご紹介していきます。

 三輪山は何度も申し上げているとおり太古の昔より神さまの鎮まる神なる山で、一般の方の入山は厳しく制限されてきました。現在のように登山が可能となったのは明治時代になってからで、決められたマナーやルールを守れば登山が可能となっています。
 ですから本ページではまず最初に三輪山の登山に関するルールや規則をご紹介いたします。下記に記されていることを守れない方は三輪山に登ってはいけません。なお三輪山登山のルールや規則は現地に「入山心得」が記されていますので登山前に必ず目を通しておいて下さい。


三輪山でやってはいけない行為や規則

・飲食・火気の使用は禁止

カメラ、スマートフォン等での写真撮影は禁止

・水分補給以外での飲食は禁止

・狭井神社の登山口以外からの入山は禁止

・入山してから3時間以内に戻ってくること

・登山可能な時間は9時から14時の間

・許可料として300円

以上ですがさらに個人的付け加えさせていただくとすれば

・ハイキングとは違うので登山の最中騒いだりしない。

・神が鎮座するとされる磐座や山頂ではちゃんとお参りする

 等といったところでしょうか。いずれにせよ登山ではなくお参りしているという気持ちが大切だと思います。遊び半分で訪れた方は三輪山へ登ってはいけません。



服装・靴 等について


 三輪山の標高は467m。登山の行程は往復4km以上で一般的には2〜3時間となります。
 また登山道入口から急な階段となっており、その後も急な坂道が続き、中腹の中津磐座をすぎると急な坂道のプラスしてぬかるみ道となります。一般的に登山道の状況は登山数日前の天気に左右されますが、三輪山中腹以降は特にぬかるみ道となっていることが多いです。


服装

 服装については特に重装備は必要ありませんが、山中は太古より人の手つけられていない原生林となっているうえに湿気が多く、虫に刺されたりや植物が肌に触れかぶれたりするので長袖長ズボンは必須です。特に夏場は非常に蒸すので通気性のよい服をおすすめします。また汗拭き用のタオルも忘れずに用意しておいてください。この他虫除けスプレーを事前に吹きかけておくと虫の被害が幾分和らぎます。間違っても虫に刺されたり木が邪魔だからといって、虫を叩き落としたり木の枝を折ったりするような事はしないで下さい。入山心得に違反します。


 三輪山の中腹より上はぬかるんだ道が多く場所によっては非常に滑りやすく危険な所もあるので、靴はしっかりとしたものが必要です。特に靴によっては乾いた道では平気でも濡れた道では極端に滑りやすくなるものもあるので、靴は慎重に選んで下さい。
 なお登山していると道中裸足で歩いている方を多く見かけます。これは「靴」を履いて御神体を歩くのは神様に対して失礼だという理由からで、昔は裸足で登山するのが礼儀とされていました。しかし危ないので我々一般の人間は真似しない方がよろしいかと思います。


三輪山 登山コース


 本項では三輪山の登山について時系列的に整理してご紹介していきます。

所要時間

 三輪山における登山の受付は9時から14時の間。所要時間は慣れた人なら往復約2時間。初心者で3時間ほどとなります。


荷物・駐車場

 駐車場は大神神社の駐車場を利用することとなりますが、詳細については別途「大神神社の駐車場」のページをご参照下さい。また登山時は余計な荷物はロッカーに預けて身軽になって方が無難です。特にカメラ等は意外と重量がありますし、山中は撮影禁止なので登山には必要ありません。なお荷物を預けるロッカーは登山道入口近くに設けられています。
 持って行く荷物としては貴重品、タオル、飲料水、携帯電話(緊急時の連絡用)、登山コースが描かれた案内図、着替えの衣類やレインウェア、お賽銭(あくまでも目的は登山ではなく参拝です)、そしてこれらを入れるリックサックといったところでしょうか。なお飲料水についてですが、登山口付近にある御神水「くすり水」をお受けするなり、持参した水筒やペットボトルに入れ道中の水分補給にするのも個人的はおすすめです。


入山許可

 入山許可は大神神社からの摂社・狭井神社(大神神社からは200mほど離れています)の社務所で行っています。そこで氏名・住所・電話番号を記入し300円を納め、参拝証となる白いたすきを受け取り自分で御祓いを行います。この白いたすきは登山の最中は常に身につけておかなくてはなりません。以上をもって登山開始となるのですが、三輪山には道中トイレがありません。狭井神社の手前にトイレがありますので必ず用を済ませて受付を行うようにしましょう。


登山

 登山コースについては道幅が狭く急な坂道となってはいるのですが、ほぼ一本道となっています。往来する人も意外と多いので迷うことはまずないと思いますが、現地の案内図を添付しておきます。

  • 三輪山登山コース
    三輪山 登山コース
 何度も申し上げているとおり登山道は急な坂道です。この為、登頂時は体力を消耗し、下山時は衝撃で足腰に負担が蓄積します。最悪の場合、気がついたら足腰が立たなく動けなくなり救助が必要となることもありますので、はじめての方は登山口で無料で貸し出している「竹の杖」を借りておいた方が無難です。いくらかでも助けになります。


最後に


 ここまで三輪山の登山について色々ご紹介してきました。繰り返しになりますが大切なことは登山ではなく参拝であるということ。浮かれた気持ちで臨むのは謹んで下さい。
 また許可さえおりれば子供でも登山は可能ですが、とにかく急な坂道となっていますので怪我のないように気をつけて自分のペースで登って下さい。無理だと思ったら途中で引き返すのも選択肢のひとつです。山中で動けなくなって救助されるようなことになれば多くの方に迷惑、苦労をかけることになりますし、多分神様も喜ばないと思います。