三内丸山遺跡の出土品



 三内丸山遺跡では他の縄文遺跡とは比べようもないほど多くの出土品が発掘されていますが、これらの出土品は館内の「さんまるミュージアム」に保管展示されており、重要文化財に指定されているものは入り口左側の特別展示室に集約展示されています。さんまるミュージアムではこれら重要文化財に指定されている出土品のミュージアムガイドを行っているのでタイミングが合うようでしたら参加されるとよいでしょう。ただ眺めているだけでは分からない縄文時代の様子を知ることができます。

ミュージアムガイド

開始時間
 10時30分と13時30分の2回で所要時間は約20分。

集合場所
 さんまるミュージアム入口(途中からでも自由に参加できます)

備考
 ゴールデンウィークやお盆、青森ねぶた祭り開催中など繁忙期は休止する場合もあります


重要文化財


 本項では「さんまるミュージアム」に展示されている重要文化財についてご説明していきます。

翡翠

三内丸山遺跡 翡翠 三内丸山遺跡から出土した翡翠。翡翠は古代は装飾品として重宝され金と同等もしくはそれ以上の価値があったとされていました。三内丸山遺跡で出土した翡翠は丸く加工され中央には穴が空いており儀式や祭りの時に使用されらものと推測されています。なお翡翠を丸く加工するのは津軽海峡を挟んだ北海道南部から北東北にかけての地方でよく見られる特徴のひとつです。



大型板状土偶

大型板状土偶 この土偶は高さ30センチほどあり、首と胴体は90mほど離れた別々の場所で発見されたもの。表面には漆が塗られており三内丸山遺跡を代表する出土品となっています。この板状土偶は「バンコちゃん」と呼ばれておりマスコットがお土産店で販売されているとガイドのおねーさんが説明してくれました。


水晶の矢尻

三内丸山遺跡 水晶の矢尻 水晶でできた矢尻と思われるもの。水晶は貴重品なのでこちらも翡翠と同様儀式や祭事用の道具と考えられています。なお矢尻自体は2センチほどの大きさで普通に見学していると見落としてしまいがちですが、数ある重要文化財のなかでも特に貴重な出土品です。

栗の木

大型堀立柱建造物の栗の木 こちらは大型堀立柱建造物の柱跡から出土した栗の木。表面を焦がして防腐処置を施していたおかげで現代までその姿を留めることができました。この木は調査の為切断されており、年輪を数えると樹齢119年(だったと思います。木に付いている印が1目盛り10年分です)だったそうです。

縄文ポシェット

縄文ポシェット こちらは特別展示の「縄文ポシェット」。大きさは高さ16センチ、横10センチでスマートフォンがすっぽり入る位。右すみに置かれているのはポシェットの中から出てきたクルミ。この縄文ポシェットは5500年前のゴミ捨て場跡から見つかり、保護の為、1年を通じて90日間のみ一般公開されています。

さんまるミュージアム


 さんまるミュージアムは三内丸山遺跡から出土した土器や釣り針などの道具や当時縄文人が食べていたと考えられる魚の骨、貝殻、木の実、雑穀類等が埋まった地層を展示しているミュージアムです。また当時の生活を窺い知ることが出来る模型も復元展示されており、躍動感溢れる展示館となっています。


入口

 三内丸山遺跡 さんまるミュージアムの入り口。縄文人の子供が迎えてくれますが、順路と逆の方向を指さしているのが少々気になるところです。

さんまるミュージアム 入り口


心のコーナー

三内丸山遺跡 さんまるミュージアム展示室 さんまるミュージアム 心のコーナーの光景。上項で紹介している重要文化財が展示されているコーナーです。照明や部屋の造りに工夫がみられ幻想的な光景が広がっています。

館内の光景

さんまるミュージアム館内の光景 さんまるミュージアム館内の光景。館内では出土品をもとに縄文時代の暮らしが忠実に再現されており、意外と文化的な暮らしをしていたことに驚かされました。また訪れた外人の方々も興味深げに眺めていました。

土器展示コーナー

さんまるミュージアム 土器展示コーナー さんまるミュージアムの土器展示コーナー。年代毎に並べられていて、時代毎の土器の形が分かるようになっています(上に行くほど年代が新しい)。展示品のなかには現代でも十分使用できるような精巧な土器も見られます。

埋設地層

三内丸山遺跡 さんまるミュージアム 埋設土層  ご覧の光景は埋設地層盛土(縄文時代のゴミ捨て場)の表面をはぎ取った土層を展示しているもの。土層には約1000年もの間生活廃棄物(壁の突起物が腐らずに現代まで残った廃棄物)が捨てられ、それが堆積しています。

標本

三内丸山遺跡の展示室 以前三内丸山遺跡にあった展示室の光景。タイ、マグロ、ブリ、ヒラメ、メバル等の骨や栗、ヒョウタン、ゴボウ、マメなどの栽培植物の種が展示されています。なおこの展示室は現在は閉鎖され、出土品はさんまるミュージアムで展示されています。