春日大社の見所・歩き方



春日大社 春日大社は今から1300年ほど前、奈良に都が遷された際に(平城遷都)、藤原不比等が国家の繁栄と国民の幸せを願って茨城県の鹿島神宮から藤原氏の氏神を招き奈良の都に祀ったのが始まりの古社です。以来人々の信仰を集め、杉林の中に建てられた朱色の社殿は荘厳で近年は心を落ち着かせるパワースポットとしても知られるようになってきました。
 この春日大社の歩き方ですが右に猿沢池を左に興福寺を見ながら三条通りを東に行くと一の鳥居が姿を現します。ここから長い参道を登っていった先に春日大社があります(本殿前には駐車場もあります)。外せない見どころとしてはたくさんの燈篭と朱塗りの回廊、そして表参道正面にある南門が挙げられますが特に境内や回廊にある無数の燈篭は「見事」の一言につきます。
 また春日大社本殿へはいくつかの参道が整備されていますが、一の鳥居から歩いてきた人、車で本殿近くまで来た人共に境内南西部にある二の鳥居から南門に向かい本殿へと行くのが春日大社の歩き方の王道コースです。本殿参拝後は北の水谷神社方面を散策するか、南の若宮神社方面を散策するか迷うところですが距離は共に200mほどしか離れてなく、いずれも奈良公園の東奥に広がる春日山原始林を通りますので時間が許す限り森林浴を楽しみながら散策されてみてはいかがでしょうか。 


春日大社の公式HPhttp://www.kasugataisha.or.jp/


春日大社へのアクセス・行き方


 春日大社は奈良市東部に広がる広大な公園「奈良公園」の一番奥に鎮座しています。奈良公園内への出入りは自由で、車の場合主要な出入り口は国道369号線に国道169号線が合流する「県庁東」の交差点。
 奈良市の至る所に案内看板が設けられているので道に迷うことはまず無いと思いますが、もし奈良市内で道に迷った場合はとにかく東に進めば奈良公園に到着します。主な高速道路出入り口は西名阪自動車道「天理」ICですが、大阪方面から車で来る場合は第二阪名有料道路を利用すると便利です(最寄りの出入り口は「宝来IC」)。
 電車の場合はJR奈良駅、近鉄奈良駅から奈良交通バスで春日大社本殿行「春日大社本殿」下車。または市内循環・外回り循環「春日大社表参道」下車、徒歩約10分。なお同じ奈良公園内にある東大寺からは徒歩で20分ほど、また近鉄奈良駅からは徒歩で25分ほどとなります。
 駅周辺にはレンタサイクルも多いので自転車をレンタルして訪れるのも一案です。奈良市のレンタサイクルについては別途「奈良市のレンタサイクル一覧」のページをご参照下さい。
 また春日大社がある奈良市へのアクセスについては別途「奈良へのアクセス・行き方」のページで詳しく紹介しています。


地図で場所を確認



各高速道路出入り口からの所要時間

名神高速道「京都南IC」から京奈和自動車道経由約60分

京奈和自動車道「木津IC」から南へ約20分

第2阪奈有料道路「宝来IC」から東へ約20分

西名阪自動車道「天理IC」からR169経由北へ約20分


時間・拝観料


 本項では春日大社における拝観時間や拝観料の他に観光に要する時間等をご紹介しています。

拝観 時間

 夏期(4月〜9月)6:00〜18:00  冬期(10月〜3月)6:30〜17:00


拝観料

 本殿の特別参拝 初穂料500円(回廊内の建物を紹介してくれます)

 宝物殿   大人(大学生以上)/400円  高校・中学生 /300円 小学生 /200円

 萬葉植物園 大人 /500円 小人 /250円 


観光に要する時間

 奈良公園の奥にある春日大社の駐車場に車を駐め参拝する場合は約90分ほど時間を要します。また国道169号線沿いにある「一の鳥居」から参道を歩いて参拝する場合は往復の時間を合わせて約2時間ほど必要となります。
 通常春日大社を観光する際には奈良公園内の散策の他、同じ奈良公園内にある東大寺興福寺等もあわせて観光することが多いため、最低でも半日ほど時間をかけて散策するスタイルが一般的となっています。


駐車場について

 春日大社正面に大規模な有料駐車場が有るほか、周辺にも公営の駐車場が複数あります。これら駐車場の詳細については別途「奈良公園(春日大社)の駐車場」で詳しく紹介しています。



春日大社の光景


 春日大社は創建以来現在の奈良公園の東奥に鎮座し、その境内の面積は約30万坪。野鳥や珍しい植物が生い茂る春日山原始林と共に「古都奈良の文化財」のひとつとしてユネスコの世界遺産に登録されています。

南門

春日大社 南門 春日大社の南門。春日大社の正門にあたる門で重要文化財に指定されており、現在の門は1382年に再建されたものです。この朱塗りの南門は緑の森の中にあり、とても際立って見えます。また回廊は左右対称ではないのですが、これは自然の地形にあわせた為といわれています。

回廊

春日大社の回廊  こちらは春日大社の回廊の光景で、西側の回廊(西回廊)のもの。春日大社は主な社殿を取り囲むように回廊が設けられており、釣燈籠のほとんどがこの回廊に釣り下げられています。その燈籠の多さ故なかには通行が困難な所もあるほど。ちなみに写真の所には何故か燈篭はひとつも釣り下げられていませんでした。
 

幣殿・舞殿

春日大社の幣殿・舞殿(へいでん・ぶでん) 春日大社の幣殿・舞殿(へいでん・ぶでん)。春日大社の表玄関口にあたる南門をくぐった先に建てられています。正面の看板には「神拝所」と書かれており、幣殿・舞殿と一体になっているようでした。なお神拝所から参拝するぶんには特別参拝料は不要となっています。


 幣殿と舞殿は東側2間(向かって右側)を幣殿といい、西側3間を舞殿(向かって左側)といいます。幣殿は天皇陛下のお供え物である御幣物を一旦納める建物で、幣殿の天井板は格天井となっていて舞殿と区別しています。
 舞殿は宮中伝来の御神楽を行うための建物であり、また雨天時に神楽や舞楽を奉納する場所です。
 なお「幣殿・舞殿」の先にある庭園を「林檎の庭」と云い、平安時代シルクロードを通って日本に初めて入って来た林檎の木を、1170年頃に第80代高倉天皇がこの庭の南東角にお手植えになったと伝えられています。


中門

春日大社 中門 春日大社の中門(ちゅうもん)と御廊(おろう)。春日大社を象徴する建物で本殿と勘違いしている人も多いそうです。本殿は中門の奥にあり、中門から先は初穂料500円が必要。なお中門の高さは10mほどとなっています。

茶屋

春日大社の茶屋 春日大社の茶屋。本殿に通じる参道沿いには参拝者の疲れを癒してくれる茶屋が何軒かあります。筆者が休憩したことのある茶屋は2軒ほどですが、いずれも清水が流れる緑深い林の中に建ち風情を醸し出していました。


水谷茶屋
 春日大社北側の水谷神社近くにある茶屋。紅葉がきれいな所で正式な店の名は「春日野もみじの里 水谷茶屋」。
 メニューにはぜんざい、お抹茶、あんみつ、団子、わらびもち、冷やし飴、アイスクリーム、かき氷等がある。


春日荷茶屋(かすがにないちゃや)
 江戸時代から営業している茶屋で、浄らかな火で煮炊きしたものを食することで、身心を浄火させてから参拝したと云われる清めの茶屋。万葉植物園正門の隣にある。
 メニューにはよもぎ団子、葛切り、ぜんざいの他、万葉集に記された四季折々の野菜を使った万葉粥が有名。


社頭の大杉

春日大社のご神木 春日大社のご神木(だと思う)神拝所をくぐると左側に見えてきます。枝分かれした枝が隣のたくさんの燈篭がぶら下がっている直会殿の屋根を突き抜けている光景には少々驚かされました。


  目通り周囲8.7m、高さ25m、樹齢は約800年〜1000年。700年昔の「春日権現験記」には幼木の姿で描かれています。隣接する直会殿の屋根に穴をあけてまで木を生かしているのは、樹木を大切にする春日の神様の託宣によるもの。
 なお昭和30年代前半までの春日大社の境内は、社頭の大杉の様な杉の大木が生い茂り、昼でも暗い原生林でしたが、昭和36年の第二室戸台風で多くの木がなぎ倒され、それから境内が明るくなった。なお、社殿前の「社頭の大杉」は、根元ががっちりと巨樹を支え、台風による倒木を免れました。

 世界遺産に登録されて、天然記念物の春日山原始林は、伐採が一切禁じられていますが、極まれにある倒木や立ち枯れた杉を使用した「春日杉」は奈良銘木として知られ、美しい光沢を放つ春日杉は、天井板や落とし掛け等に用いられて、尊重されています。



春日大社(奈良公園)おすすめの時期・ベストシーズン


 春日大社は春日山原始林と呼ばれる鎮守の森を間近に控え、杉の木立が建ち並ぶ森の中に鎮座しています。この杉並木の中に建つ朱色の社の光景は緑が映える新緑から晩夏にかけてが一番美しいと言われています。また春日大社の社紋にも使われている藤の花は境内の至る所でみられ4月の下旬から5月上旬に咲き誇ります。
 藤の花と並んで春日大社の名物とされているのが3000基もの燈篭です。これらの燈籠はお盆と節分の日に一斉に灯りが灯されます。このように春日大社では春の節分から秋の節分にかけての期間中が一番の観光ベストシーズンといえますが、冬場でも年中行事が行われ基本的には一年中楽しむことができます。


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