奈良公園の紅葉



 紅葉の名所としても知られている奈良公園。この奈良公園の木々は他の紅葉の名所のように、紅葉する木々を集めて植えたわけではないので紅葉の色や時期にばらつきがありますが、逆にこれが奈良公園の紅葉の特徴となっており、10月の下旬から初冬まで広大な敷地内で様々な色で紅葉する木々を見ることができます。
 なお公園内に自生している木々はマツ、サクラ、モミジ、スギ、サルスベリ、ウメ、クスノキ、ヒノキ等針葉樹、広葉樹約200種類ほど、また東大寺大仏殿周辺にはモミジやイチョウが多数植えられ紅葉の時期は見事な光景を見せてくれます。


紅葉時期 10月下旬〜12月上旬


紅葉スポット

☆若草山展望台
 様々な色に紅葉した奈良公園を見下ろしながら奈良市内も一望できるおすすめスポット。

☆春日大社周辺
 紅葉の時期になると春日原生林と呼ばれる平安時代からの原生林が色づきます。主な木はモミジ。

☆浮見堂周辺
 梅や桜、南京ハゼといった様々な種類の広葉樹が紅葉します。ライトアップされたり、鷺池に映った紅葉はまさに絶景。

☆東大寺大仏殿周辺
 大仏殿北西部にある「大仏池」周辺が紅葉スポットとして有名で、モミジや楓、イチョウが赤・黄色・橙色と華麗に色づきます。また高台にあるニ月堂、三月堂周辺も隠れた名所で錦織のような光景を見せてくれます。 



鹿と紅葉


奈良公園の紅葉 奈良公園の鹿と紅葉。鹿が紅葉を眺めているようにも見える。奈良公園の紅葉の知名度はあまり高くはありませんが、地元ではかなり有名です。ただし場所によっては杉や松のような針葉樹しか自生してなく紅葉を見れない所もあります。

奈良公園の鹿と紅葉 モミジの絨毯のうえで餌を探している鹿達。落ち葉の中に木の実でも埋まっているのでしょうか?なお鹿の好物の一つにブナやドングリといった木の実があり、奈良公園ではドングリで餌付けした鹿達をホルンで呼び寄せる鹿寄イベントも人気を集めています。


写真提供:一般財団法人奈良県ビジターズビューロー

手向山八幡宮


手向山 八幡宮 奈良公園の手向山八幡宮(たむけやまはちまんぐう)。東大寺の東側、二月堂の南側にある神社。境内には立派なイチョウの木が立っており、見事な紅葉をみせてくれます。


手向山八幡宮について

 もともとは東大寺の守護神として天平勝宝元年(749年)に勧請されたもので、治承4年(1180年)の平重衡による戦火で焼失しましたが、建長2年(1250年)に北条時頼が現在地(奈良公園内東大寺の東側)に再建しました。なお現在の本殿は1691年に再建されたもの。紅葉の名所として知られているが平安時代には菅原道真が手向山八幡宮の紅葉について歌を詠んでいる(注:当時は現在地に社は無く、現在の奈良市街地の方にあったと考えられています)。

主祭神
 応神天皇、姫大神、仲哀天皇、神功皇后、仁徳天皇


東大寺 大仏沼の紅葉


東大寺 大仏池の紅葉 東大寺 大仏池の紅葉。東大寺には大きな池が二つありますが、その内のひとつが大仏池。紅葉のきれいなところなのですが、大仏殿の北西部にありなかなか見つけにくいところにあるためか意外と知られていないスポットです。

東大寺の紅葉 東大寺の紅葉。光景は大仏池周辺のもの。紅葉し落葉したイチョウの葉が絨毯のように見えます。東大寺周辺は奈良公園内でも紅葉のスポットとして有名ですが特に大仏池周辺は隠れた絶景スポットとなっています。

浮見堂の紅葉


浮見堂の紅葉 秋の浮見堂の光景。お堂から周囲の紅葉を眺めている行楽客の姿が見え、浮見堂が建つ鷺池の水には木々の紅葉が映えています。なお鷺池は春日大社の奥にある春日山原始林から流れてくる水を水源としています。


写真提供:奈良市観光協会