龍安寺の蹲踞(つくばい)



 龍安寺の茶室前にある手水鉢は「知足の蹲踞(つくばい)」と呼ばれています。知足とは「足を知る」という意味で、人間の欲を戒める言葉として禅宗のお寺などでよく引用される言葉です。龍安寺のつくばいにはこの知足という言葉が刻まれており(正確には「吾唯足知」という文字)、このつくばいを見たいが為にわざわざ訪れる参拝客もいるほど有名なつくばいなのです。

茶室前に置かれているつくばいは模造品で本物を一般参拝客が見ることはできません


つくばい


龍安寺のつくばい 龍安寺のつくばい。徳川光圀(水戸黄門)の寄進といわれ、方丈の北側にあるが、実は本物は非公開の茶室「蔵六庵」に置かれてあり、写真(方丈にある一般公開されているもの)は精確に作られた複製品。このつくばいには四方に文字が書かれており、中央の水穴を「口」の字として共用し、「吾唯足知 (われ ただたるを 知る)」と読むことができます。この意味は「金持ちでも満足できない人はできないし、貧乏でも感謝の心を持てば満足できる」ということなのだそうです。


つくばいとは?


つくばい 「つくばい」とは庭園に置かれた手水鉢のこと。昔は茶室に入る前に手を洗う場所として用いられていたが、近世、現代に至ってはいわゆる日本庭園にも置かれるようになった。現在においてもビルの入り口や企業の緑地等に置かれることがある。