龍安寺の石庭(ロック・ガーデン)




  龍安寺の石庭は波を描いた白砂を敷きつめた75坪ほどの敷地に自然石を配しただけの石庭で、素材は石と砂のみで油土堀の囲の中に枯山水の庭園が構成されています。一件簡潔な構成に見えますが、石庭自体に勾配をつけたり、土壁の高さを奥に行くほど低く作り遠近感を出しているなど、随所に高度な工夫や技法が施され、その光景は見る人を引きつけるまさに禅の神髄を究めた究極の枯山水庭園ともいえます。
 なお石の配置は東から5.2.3.2.3となっており、このことから別名「七・五・三の庭」(5+2,3+2,3)とも呼ばれています。


石庭(枯山水庭園)


龍安寺の石庭  龍安寺の石庭。エリザベス女王のおかげで日本のみならず「ロック・ガーデン」の名で世界的に有名になった石庭ですが、石庭の制作者や考案者、作庭年代は不明。石は白砂が敷かれた庭園内に全部で15個おかれています。




龍安寺の枯山水庭園 石庭  龍安寺の方丈石庭。土壁に覆われた方丈石庭には全部で15個の石が配置されており、方丈から眺めた場合、どの位置から眺めてもこれら15個の石すべてを見通すことはできない。これは15は「完全」を表す意味する言葉で、あえて見える石の数を14にすることで自分自身を見つめて、常に足りないものを見つめなおす心を忘れてはならないという思いが込められているのだそうです。

石庭を眺める参拝客


石庭を眺める参拝客 石庭を眺める参拝客達。各自思い思いの場所に座り見学している。石庭の白砂は大海を石は山を表しているとされ、日本独特の技法となっています。なお石庭は排水機能をもたせる為に左奥が低くなっているほか、西側の壁は手前から奥に向かって50センチほど低く造られており、当時としては珍しい遠近法の技法が用いられています。


石庭の全景


龍安寺 石庭の全景 龍安寺石庭のミニチュア模型。部屋のどの位置から見ても15個全ての石を見ることができないといわれています。なお筆者たちは未確認ですが実は1箇所だけ全ての石を見渡せるスポットがあるともいわれています。