津軽そば

 津軽そばはそばがきに大豆の粉を加えてつなぎにし一晩寝かせた後、ゆで置きしたもので弘前市を中心とした津軽地方で昔から食されているご当地蕎麦。食感はプツプツと切れやすく一般の蕎麦とはだいぶ異なります。出汁は煮干しや焼き干し(鰯や鰺等を焼いて干したもの)を使用しているので非常にコクがあります。また麺の性質上ザルで食する事はほとんどありません。
 一時期手間暇の多さから取り扱う店が少なくなりましたが最近脚光を浴びてきたことから人気を盛り返し、現在ではつなぎの大豆の代わりに黒豆や緑豆等を使用した津軽そばも登場しバリエーションが増えています。
 筆者は昭和30年代に津軽そばしか食べた事のなかった黒石市の青年が上京し蕎麦を食べた時、その味や食感の違いに驚き、またざる蕎麦という食べ方を初めて知ったという逸話を聞いた事があります。

津軽そば