三途の川



 三途川は霊場恐山の入り口、恐山菩提寺から500mほどの所にある宇曽利湖から唯一流れ出ている正津川のことで川には特徴的な太鼓橋が架かっています。むつ市から霊場恐山を経由し薬研温泉、大畑方面に抜ける県道「むつ恐山公園線」の沿線上にあり、県道を通っていれば恐山に行かなくても自然と目にとまる位置にあります。
 近くには簡易な駐車場もあり気軽に立ち寄ることができますが、現世と霊界を隔てているとされる三途川に架かる太鼓橋を渡ってしまうとそこはすでに霊場ですのでご注意を。

※一部のサイトで「三途の川を渡ればすぐそこは恐山です」と紹介しているのがありますが、正確には橋を渡ってからアスファルトの道路を数百mほどいった先が恐山の入り口ですので、三途の川は立ち寄る程度にし、車はその先の駐車場に駐めるようにしましょう。その方が全然楽です。


三途の川(橋)を渡る


恐山の太鼓橋 俗世と霊界を隔てる三途の川と太鼓橋。遠く左側に見えるのが霊場恐山です。なおこの太鼓橋の勾配は急で悪人には橋が針の山に見え渡れないと言われているほか、帰りは橋の上で後ろを振り返ってはいけないといわれています。



恐山を眺める外人さん 三途川に架かる太鼓橋の上で霊場恐山を眺めている外人さん。この外人さんは歩いて旅をしているようで、この後、薬研温泉方面へ進み森の中へ歩いていきました。
太鼓橋を渡る恐山の僧侶  恐山大祭行事のひとつ上山式の光景。現世とあの世を隔てるとされる三途川に架かる太鼓橋をかご行列が渡っていきます。かご行列はこの後、道路の歩道をそのまま恐山にむかって進んでいきます。

三途の川 渡し朕


奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんえおう) 三途の川の渡し朕は6文銭(最低金額で)といわれていますが、これは現在の貨幣に換算すると300円〜600円とされ昔の人がお米を1回炊くのに必要な炭の金額に相当するのだそうです。仮にこの6文銭を支払えない場合は三途川の畔に建つ奪衣婆と懸衣翁が死者の衣服を奪衣婆がはぎ取り、懸衣翁が傍らの柳の木の枝にぶら下げ、その枝の垂れ具合で生前の悪行の軽重を計るといわれています。




恐山の三途の川(正津川) 強酸性の宇曽利湖から唯一流れ出ている河川である正津川。霊場恐山では三途川と位置づけられており、川の水は淡い青色で限りなく透き通っています。所々で温泉や火山性のガスが吹き出ているのか白い結晶が盛られたようなものが見えます。なお三途の川に架かる橋は二つあり、ひとつは恐山信仰に意味合いも兼ねた朱色の太鼓橋、もう一つは一般通行用のコンクリート性の橋となっています。